一字千金

2017-04-07

Vol.18「買ってもらえる」店か? まず考える

奥井俊史/アンクル・アウルコンサルティング代表

店頭の商品は、与えられた物ではなく、自らが売れると想定して仕入れた物である。

であれば、物に存在する欠点を探すことが第一ではなく(もし欠点があればアフターサービスで補いを付け)、何よりも優れた点を訴求し、顧客に勧めて楽しさを感じて頂きながら「買ってもらえる」ように気遣うことが大切だ。私は「販売とは、サプライヤーから与えられた物を売ること」だと考えて実践してきた。

具体的には、その与えられた物に対して、顧客に「これは良い」という気持ちを起こしてもらえる購買環境つくりが大切な条件になる。

店の前を通っただけで扱っているブランド・商品群が分かるか、展示のあり方には、店に行ってみようとする気持ちが起きるか、などが大切だ。

店に明るさがなく、駐車場が見えず、どこにも店の独自のカラーが出ていず、ブランド表現もなされていない――、こんな店だったら、年代を問わず、特に若い世代の顧客には、商品ブランドの如何を問わず見向きもされないだろう。

店に顧客を吸引する力がない――。

バイク販売店では、商品の性格もあって、格別に内外装のメンテナンスができていなければ、ちょっとした注意を怠ると、こんな店になってしまう。

懇意になっている顧客はともかく、特にバイク販売店では店舗の魅力が顧客を呼び込む上で重要になる。自身の考えでも良いし、メーカーの店舗改装案の活用でも良い。ともかく綺麗で、魅力的な顧客の吸引力がある店にすることが重要だ。飾られる商品は、いずれのブランドでも基本的にはあまり実は差がない。そのような展示ができるのが最近の業界レベルだ。

従って、どのように品揃えをし、どのように展示するか。つまりマーチャンダイジングの良し悪しと、それに対するディスプレイ力が、顧客から見た選択肢になる。店頭の広さ、所在地の場所柄や顧客層、モデル特性など、与えられた物が売れるように考えて展示し、考えて売る。その際にまず考える。

若者に入りやすいようにスタッフの年齢、展示車両の種類、カラー、展示レイアウト、植栽などの展示物、購入後の楽しみの提供法なども分かりやすく店頭に打ち出せば、顧客の買う気が刺激され、顧客層がうんと広がり、バイクを楽しもうという若い心の中高年の買いやすい店になるだろう。

プロフィール

奥井俊史氏 (おくい・としふみ)

1942年大阪府生まれ。65年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社。75年より東南アジア市場の営業担当し、80年トヨタ北京事務所の初代所長に就任。83年より中近東市場で営業担当。90年にハーレーダビッドソンジャパン入社、91年に同社社長に就任し、19年間に数々の施策を展開し日本での大型二輪市場でトップブランドに育て上げた。09年より現職。