一字千金

2017-10-20

Vol.20「二輪車事故について 「胸部プロテクター」の着用」

奥井俊史/アンクル・アウルコンサルティング代表

気掛かりなことに、二輪車の乗車中の事故がある。

二輪車の販売台数はリーマンショック後に急減。年間53万台レベルが35万台前後に落ちた。比例して保有台数も減じているが、それ以上に幸いにも二輪車事故件数は減っている。死者数もそれ以上に減少している。

しかし、二輪車は商品の基本的構造上、一旦事故になると重症になる比率は遺憾ながら四輪車よりはかなり高いと言える。二輪車事故には「追突」「正面衝突」「転倒」「路外逸脱」などがあるが、中でも「出会い頭」の事故や「右折時」の事故が圧倒的に多く、この二つで事故全体の約半数を占める。

具体的には出会い頭の事故が全事故中の約30%、右折時の事故が約19%にもなる。二輪車による事故のいま一つの特徴は、おもに事故が第2当事者の立場で、弱い立場に立たされていることが多いことも挙げられる。

出会い頭の事故は昼間に発生することが多いようで、これに対する対策としては「昼間のヘッドライト点灯」が有効とされている。また、出会い頭の事故は夜間といえど発生するが、相手車両の発見の遅れが無いようにヘッドライトを活用しての注意を喚起した乗り方が有効と言われている。

いずれにしろ安全・安心に心掛けてバイクライフをエンジョイしたいものだ。

一方で都内で発生する全交通事故死者数の中で二輪車の死者数が占める比率は、11年までは常に30%以上だったが、12年以降は25%前後に減った。

全国の事故死者数の中で二輪車による死者数の比率が15年で17.5%。過去5年平均でみると、9月をはじめに、12月、7月、4月に発生件数が多い。死亡事故発生の時間帯でみると、6~8時、1820時、4~6時の時間帯に多い。総じていえば、午後8時~午前8時の間に起こることが多いようだ。

また、年齢別の死亡事故の発生件数では40代が最も多く、次いで30代。24歳以下の若年層は第3位だ。今のところ高齢者の死亡事故は多くはない。

死亡事故の損傷部位をみると、約半数が頭部損傷である。ヘルメットは着用しているが、実際に事故内容を調べると、死者のうちの35%は事故時点でヘルメットが脱落していたとのこと。ヘルメットの顎紐をしっかり締めることが重要で、これだけで死者数をかなり減らせる可能性があると思われる。

また、死者中約30%は胸部打撲によるものと分析されている。この数字を下げるためにも、自らを守るためには胸部プロテクターを着用することが、有効のようだ。

プロフィール

奥井俊史氏 (おくい・としふみ)

1942年大阪府生まれ。65年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社。75年より東南アジア市場の営業担当し、80年トヨタ北京事務所の初代所長に就任。83年より中近東市場で営業担当。90年にハーレーダビッドソンジャパン入社、91年に同社社長に就任し、19年間に数々の施策を展開し日本での大型二輪市場でトップブランドに育て上げた。09年より現職。