考えるリーダー/Interview インタビュー

2017-01-01

KTMジャパン/ディーラーと信頼向上 広く選ばれるブランド目指す

B・ヘイギ 社長

KTMジャパンでは2016121日、それまで社長であったミヒャエル・シャノー氏に代わり、ブラッドリ・ヘイギ氏が社長に着任。同社の今後の経営に貢献するヘイギ社長は、一貫して二輪車業界に携わってきた。北米での勤務時代よりKTMジャパンの取締役も務めてきた。着任間もないが、16年の販売台数は市場が縮小する中で、販売は悪くはない結果という。17年は戦略の検討のため市場観察やディーラーとの信頼関係の向上を挙げ、体制の再構築を図る考え。一方で中期的計画では若年層への訴求やディーラーでの人材育成などに取り組む考えを示唆した。

ヘイギ社長は幼いころから二輪車に触れ、学生時代はエンジニアとして学びインターンで生産現場も経験。88年に大学卒業、ヤマハ発動機に入社し北米でディーラー開発を担当後、伊ドゥカティ本社で12年間務め、09年にミラノショーで本社のフーベルト・トゥルケンポルツ氏に誘われKTM本社に入社、その後北米に勤務。北米担当の当時から日本法人の取締役として財務関係をみてきたため日本の規模や活動は把握。

リーマンショック後の経済危機が最も悪化した09年にKTMに入社。それ以前に北米で120万台から40万台に減少した販売を、値下げ販売によるブランド価値の低下を招くことなく、業績を立て直してきた実績を持つ。この経験を現在乱気流にあるという日本市場で活かしたいと強調。

特に各ディーラーを早々に訪問して状況確認し、役割の明確化、信頼回復を重要視。また課題としてディーラーと互いに考え方を共有し在庫の適正化、販売に繋げるマーケティング、人材分野の開発なども挙げ、ディーラーの要望や意見を本社に伝えることが重要な活動としており、販売拡大に自信を示す。

16年の販売では過去最高を目指し大きなチャレンジであった。一方で社内体制の変化や市場全体が約10%減少する状況を考慮すれば、KTMとハスクバーナ合計で目標は超え、悪くはない結果と分析している。

17年では戦略検討のため、早急にディーラーを順次訪問する予定。ディーラーとの信頼関係の向上、基礎作りを目指し再構築としながらも、一方ではレース活動やサポートには注力しながら、若年層への訴求と競争力あるクレジットサービスなどで購入を容易にすることがカギとしている。またディーラーでの力点では収益確保を挙げ、人材や店舗、販促への投資を容易にすることを強調。

販売も重要だが、それ以前にユーザーもディーラーもKTMに関わり、どんな時でも「楽しい」と思ってもらえることが最も重要という。従ってユーザーへはイベントで楽しさを訴求し、ディーラーへ誘引する意向に変更はない。詳細はこれから検討していく模様。また現在のディーラー網はKTMが57店、ハスクバーナ18店体制。特にKTMディーラーでは併売のマルチショップを専売のオレンジショップへの昇格を進めることを課題に挙げる。ディーラー開発では、需要がある地域に開設する。店舗数が多ければ認知度が高まるが、店舗間に生じる競合は避け適正に判断していく方針。

ディーラー向けでは中期計画策定中としながらも、ユーザーに対して販売からサービス技術などを一人のスタッフがトータルに対応できるトレーニングで、本社が進める「オレンジ・ブリーダー」を導入していく意向。それには導入済みのオンラインの「Eアカデミー」と同時に、KTM本社の歴史、開発、生産、レースなどのハードからソフトに至るすべての活動に触れて体験することが重要とし、ディーラーを積極的に本社へ招く機会を増やす考えである。

業界活動の100万台販売については、同社は積極的な若者への訴求活動実施を指摘した上で、現況を踏まえるとし、高い目標達成には同社を含め各メーカーや団体が連携して、政府へ二輪車環境を改善していくための訴えが重要としている。

紙面掲載日:201711