考えるリーダー/Interview インタビュー

2017-05-29

AJ/「力の結束を」

大村直幸 会長

二輪車対策プロジェクトチーム設置はチャンスだ

二輪車業界でライダーや販売における環境改善に取り組む全国オートバイ協同組合連合会(AJ)は、今や業界と行政の窓口役として大きな力をつけてきた。一方で与党自由民主党の政務調査会では「二輪車問題対策プロジェクトチーム(PT)」が設置され、業界の声が行政へ格段に届きやすくなった。こうした中、大村直幸会長が本紙の取材に応じた。業界での環境改善に向け、一歩踏み込むAJの今後の活動や考えなどを聞いた。

「未来は正直、結果は必ず出る」

――昨年、出荷台数338000台に縮小。どのように受け止める。

「いま起きていることは過去に行ってきた結果だ。『未来は正直。嘘をつかない』ということだ。例えばバイクラブフォーラム(BLF)で官民、各団体や地方も含め協力し目標の国内販売100万台に向け取り組んでいるが、2020年には良し悪しは別にしても、今の活動結果が出るだろう」

――業界関係の官民、団体などが一体になっていないということか。

「皆が統一したことが絶対条件ではないので、それぞれの立場や考えがあってもいいと思う。ただ、一緒に取り組むBLFでは、目標が明確に示され、各立場や役割の元で一生懸命に取り組むことが本来だろう。やるのか、やらないのか。駄目な理由をつくって言うのであれば駄目だろう。

我々の販売店組織の立場で何ができるのかを考えると、おそらく限定的であったりする。100万台の販売を例に挙げるならば、100万台とは新車であり、その新車を製造する側がどう向き合っていくのかということだ」

――一部メーカーでは販売網再編を行っている

「AJとしての統一した見解ではないので、AJ会長としては答えられないが、個人的な販売店経営者として見るならば、過去より販売店でのチャネル政策があり、その時々で販売店はメーカー販社と約束を交わした歴史がある。その都度、販売店は移転などを含め準備、投資をした販売店も多いが、今までの歴史を鑑みた上でしっかりした対応を望む。

国内で一つの統一したルールで、すべてのユーザーを支援、楽しませることができるのか疑問もある。市場により特徴が異なり、北海道と沖縄、または日本海側などでは販売環境が大きく異なる。国内の販売店に一本化したルールで賄うことは、販売店を含めたお客様のことを考えているのか疑問が残る。組合員の意見は様々で、販売網再編を良しと考える組合員も存在することは事実だ。ただ、買う側を除いた考えの商売は難しいだろう。皆が納得できる明るい未来が、メーカーより明確に示されればよいと思う」

――AJの活動で今後強化する分野は。

「前会長などの幹部の方の尽力の中で、相当な実績を残してきた。ところが業界関係者や販売店、我々の組合員ですら過去の活動実績を理解していない方が多い。今後もっと組織として活動していくには力の結束が必要だ。今は全国の各組合が細い糸で繋がっている状態だ。この糸を太い紐にし、さらにロープへとすることで力を結集し物事に取り組むことが、今一番の仕事だと思っている。また先にも挙げた、AJ活動への理解を広げ深めることも重要と思う。

特に全国を回り多くの関係者や組合員などの話を聞くが、これまでのAJ諸先輩はそうした方に、利益を与えるだけの行いをしてきた。それにもかかわらず理解をしていない販売店が実に多い。メリットを払い過ぎているということだ。こうした気持ちで理解を求め訴えている。そうした上で過去より取り組み、なかなか形にならなかった事柄を官民、各団体などの関係者らと協調し、一つひとつ結果を出していきたい」

――自民党の政務調査会で二輪車問題対策PTが設置された。

「開設されたことの意味を理解していない組合員も少なくないので、まずは理解を深めていきたい。それまではオートバイ議員連盟での決議は一度党内で審議が行われてきたが、二輪車問題対策PTが開設され、この中で決定された事柄は直接党の活動として行われるため、我々の意見が行政に早く届くようになり、大幅な進歩となる。

先日も高速道路の料金で二輪車を軽自動車同額から分ける方向で審議が進んでいる。自動車税についても、今の二輪車の区分は原理原則的に言っていかがなものか。二輪車についての規則や制度は、50年前の規則で当時の車両排気量や性能、交通環境などで大きく変化した。今の規制などは変化すると考えられていない時代に作られたままだ。我々が主張するから行うのではなく、行政は時代の変化に対応して自らが規則や制度を変えていくべきものだと思う。今後はこうした切り口でも訴えていきたい。そうした中で二輪車問題対策PTが開設されたことは非常に有効で、我々にとってのチャンスだと思う」

――二輪車関連の各団体で優先課題が異なっていることはないか。

「立場や意見はそれぞれあるが、各団体と意見を調整して合致する問題は意見を政府に訴え求めていくことは重要だ。担当レベルでは各団体とも駐車場問題を挙げている。その一方で、顧客に近い我々がライダーのマナーアップの活動を行っているが、良いマナーというものが示されない中で行っている状態だ。行っていることが主目的になり、本来の問題解決に向き合われていない。未来は正直で、良し悪し必ず結果が出る。だがそれをやっていないため、良し悪しの結果もわからないのでは困る」

――各地で組合設立を促している。一方では格差も広がるのでは。

「地方では都心と市場規模が違い、都心への通勤圏である東京圏で見ると全体の4割ほどを占める。地方のAJはどうやって維持していけるかを考えるが、近い将来に東北のAJが設立予定で、この設立で全国40都道府県の設立となる。どのような形かは地域に合わせて柔軟に作っていきたい。特に我々の意見を代弁してくれる地域の議員の方がいれば応援したい」

――大村カラーを出すとすればどのようなことか。心に秘める座右の銘は。

「当たり前のことだが、『一生懸命』という言葉が好きだ。一生懸命にやらなければ良い結果はでない。一生懸命にやればその先に必ず道ができる」

――20年の東京オリンピックに向けての活動の考えは。

「以前よりBLFでも課題に挙がっている。オリンピックを含め、来訪者を視野に20年には来訪者数が増加するだろう。どのような形でできるのかなど、小池百合子都知事と話し合いながら考えていきたい」

紙面掲載日:2017526