考えるリーダー/Interview インタビュー

2017-10-20

HDJ/『敬意を持って接する』

グレッグ・ウィリス 社長

己 の理解以上に、人に期待してならない

人生での体験や仕事での経験、知識は組織運営において大きく反映される。ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)のグレッグ・ウィリス社長に、自身のこれまでの体験や社会人としての経験などを聞いた。

――これまでの体験や経歴は。
「生まれは1970年で、6歳からバイクに乗り始めました。父と弟に薦められ、バイクの楽しさを知りました。当時はオートマチックのPUCHマグナム50というオフロード車に乗って楽しんできたこともあり、幼いころから将来はバイク関係の仕事に就きたいと夢見てきました。

社会人としては大学卒業後、英国内で自動車リース会社に就職し2年ほど働きました。企業に対し長期リースやリースプランなどを提供する仕事です。そこではアカウントマネージャーも経験しました。

その後、英国内でボルボ・カー・コーポレーションに入社。カスタマーサービスやリースの経験を活かし企業やその従業員向けに販売する営業を経験。そんなある時、カフェで新聞を読んでいたら英国内でホンダの二輪部門で、ディストリクトマネージャー募集の記事を見つけ、すぐに応募しました。

就きたいバイク関係の仕事であり、これまでの仕事での経験がマッチすると思いました。こうして2000年にホンダに入社し、ディストリクトマネージャーとしてロンドンや英国南部のディーラーと関わってきました。欧州の統括拠点がイタリアにあり各国の担当者らと会う機会もあり、マーケティングなどでの情報交換が行なえ、多くの知識も学べました。また二輪車部門のコミュニケーションマネージャーも経験しました。

その後06年にハーレーダビッドソン(HD)へ入社。英国とアイルランド市場のマーケティングマネージャー、ヨーロッパ・ミドルイースト・アフリカ地域本社およびアジアパシフィック地域本社のマーケティングオペレーションズのディレクターを務め、HDグループ内でもキャリアを重ね、1611月に現職に就いたわけです」

――記憶に残る上司の教えや自らの教訓は。
「これまでに良い上司に関わることができたと思っています。よく言われたことの一つに、何か人に仕事をしてもらう時に、『自分に充分準備ができていないのに、その人に期待をしないこと』が挙げられます。『自分に理解が足りないのに、それ以上のことを人に期待をするな』ということです。

もう一つは『みんな失敗をするために仕事をしているのではない』ということを、いつも心に止めています。物事がうまくいかないこともあります。多くの企業家は、失敗もするが即対処もしています。こうしたことを意識して対応するように心がけています。

リーダーシップとしては、みんな成功を望んで仕事をしています。だからメンバーの強身を理解し、活かしていくかが重要であり、同時にどのようにサポートしていくのかに取り組めば成果がでると思います。また人に対しては『敬意を持って接する』ことも常に心がけています」

――二輪車以外で、仕事での好きな分野は。
「二輪車に関わることならすべてやりたいと思っています。例えばエンジンを分解するなどの技術的なことから、ビジネスをいかに成長させることができるか。利益を生みだすには、いかに効率的に物事を進めれば良いかなど、非常に楽しい仕事だと思っています。

一方で経験ではマーケティング分野での仕事が長かったので、主に新規ユーザー開拓などで二輪車の楽しさを伝えることを中心にしてきました」

――マーケティングで重要と考えることは。
「HDを例に挙げると、世界市場で顧客の体験を中心に、オーナーズグループなど展開していますが、通常のマーケティング4Pに加え、5つ目にこの「顧客体験」があり5Pとしてマーケティングに取り組んでいます。特に以前は製品に対しこの製品の顧客はだれかと捉えていましたが、現在はお客様を深く理解し、我々のターゲットはどのような人々なのかを視ています。お客様は何を求めているのかが重要なのです」

――両親より成長過程で日常的に言い聞かされた事柄は。
「あまり言われた記憶はありませんが、とにかく両親は私のやりたいことをやらせてくれる機会を、一生懸命につくってくれました。特に私は二輪車に熱中し、ある時、操作がうまくなりたくて8字走行で練習をしていた時に、父親が『続けて練習したいか?ここで止めたいか?』と聞かれ、やりたいのなら一生懸命にやりなさいと言われました。とにかくやりたいことを、一緒に一生懸命サポートしてくれた記憶が深く心に残っています」

紙面掲載日:20171020