考えるリーダー/Interview インタビュー

2018-08-10

ランブレッタ/「販売網つくる気ない」

野口英康社長

㈱サイン・ハウス(東京都世田谷区)は、Lambretta(ランブレッタ)GmbH社と正規輸入代理店契約を締結し、今年3月より日本市場でランブレッタ製品の販売を開始した。一方、全盛期のハーレーダビッドソンジャパンでビューエル担当責任者などを経て、KTMジャパンで社長を務めた野口英康氏が、6月にサイン・ハウス社長に着任。経験豊富な野口社長は本紙取材に応じ、ランブレッタの販売戦略などについての考えを述べた。

積極的販売店に相談応じる

――ランブレッタの販売体制では、販売店を選ばないとしている。
「専売店などの販売網はつくる気はない。取扱店も特別に決めていない。ネットワークをつくる概念がないということです。ランブレッタを欲しいと思うユーザーに、お客様の近隣で提供、納車できる販売店があればよいと考えています。比較的に高価な車両であれば、ブランドの世界観を訴求、提供するための販売網づくりが必要でしょうが、ランブレッタの販売では特別な販売網は必要ないと考えています。また、売ってくれる販売店があれば、どこの店にも卸し売ってもらいます。私どもと取り引きがない販売店でも、エンドユーザーが欲しいといえば、店側はお客様の欲しい商品を仕入れるでしょう。取り扱いがなくても、店側も扱いたい、販売したいと考えるでしょう」

――販売に対しての店舗基準、マージン体系は。
「販売店さんより『1台仕入れたい』と言ってこられる店は、ほぼお客様からの意向で、欲しいという客注文がほとんどでしょう。そうした販売店さんにはもう1台、展示用で仕入れることを提案しています。1台注文の場合は『店側の販売努力ではなく』お客さんの意向ですから、最初の1台は販売店さんに手数料として5%を支払います。車両だけで5%でも実売では比較的悪くない利益でしょう。その他に任意保険や開梱手数料、登録諸費用などで売り上げにして約10万円になるでしょう。ただし、同時に2台以上をご注文いただいた場合は、販売店さんの販売努力によるものとして、マージン10%にしています。在庫としてまとまった台数を仕入れてくれる場合も、マージン10%で考えています。

私どもでは、店舗の規模に関係なく、売ってくれる販売店さんを大事にしていきます。商品の品質や価値を理解していただけ、お客様を大切にされる販売店とともに成長したい。積極的な販売店さんは自らがコーナー展示も行ってくれ、努力してくれています。こうした販売店さんには商圏を確保し、マージンも見合った率をさらに上乗せして提供します。契約台数の強要のような、一方的な押し付けもしません。当然、積極的な販売店さんの相談にはいくらでも乗る姿勢でいます。基本的な条件はあるが、相談しだいでその場で即答もします」

――どこの販売店でも卸す場合、販売後のアフターサービスの提供は。
「私どもの車両はスクーターです。形は異なりますが、特別な機構やエンジンを採用しているわけでもないので、パーツの供給を行なえば技術的には通常の認証工場の資格を取得する販売店さんであれば、心配はないと考えています。もちろん私どもの方で技術相談にはお答えできる体制を整えています」

――若者のスマートフォン(スマホ)購買行動などから考える、将来の販売体制の在り方は。
「スクーターですからネット販売もその選択肢の一つと考えています。スマホで買える(販売できる)ようにして、お客様の住居に近い販売店で車両を受け取っていただく。納車する販売店さんには納車手数料を支払う形です。極端に挙げると、この場合納車は自動車整備工場やガソリンスタンド、二輪用品店などでも可能となります。自賠責保険の手続きやアフターサービスが提供できるところであれば、実現可能と考えています」

――二輪車市場では、原付車の輸入車は特に苦戦傾向にある。
「専売店化、取扱店の囲い込みが進み過ぎ、お客様の手に入りづらくなっているからではないでしょうか。高級車のような販売体制にこだわるため、現場では投資に売り上げが見合わず、販売店が増えません。原付のような身近な存在をわざわざ遠くの専売店にまで買いに行くことを期待するようでは市場を刺激できるとは思えません。

私どもではどこの販売店でも買える、枠に囚われない販売体制のため数年後には年間1000台を超える販売は可能と見ています。日本市場では50cc輸入スクーターの販売は、ほぼランブレッタだけになっており、訴求する好機会でもると考えています」

――ユーザー側に欲しいと思ってもらうためには、訴求が重要になる。
「積極的に露出しなければ、お客様に認知してもらえません。中・大型車などモーターサイクルはイベントや試乗会などで販売のためのきっかけづくりが必要でしょう。しかし私どもの商品はスクーターですから、スペックや機構、技術的による選択肢ではなく、お客様が『気に入る』かどうか。『可愛い』、『ライフスタイル・デザイン』などで判断して購入してくださると考えます。

広く認知を高める一環で、先頃は東急ハンズの催しで車両やアクセサリーなどを展示。また、新業態であるオートバックスガレージでも展示しました。

ランブレッタは実はヨーロッパでは、グッズ用品での認知が高く、既に時計やスカーフなどの服飾でのブランドビジネスが活発で、車両のアクセサリーも豊富に用意されています。こうした用品と合わせて展示して、広く一般者へ訴求していきます。とにかくユーザーに『見て』『接して』『知ってもらう』ために多面的に展開し、『欲しいと思ってもらう』取り組みをしていきます。将来はランブレッタで『日本の街を、可愛く』したいと思います」

紙面掲載日:2018年8月10