考えるリーダー/Interview インタビュー

2018-08-24

PGJ/「全体見て個々の影響見る」

N・ミクラウス社長

日本の客、魅了したい

今年の春、ピアッジオグループジャパン(PGJ)の社長に就いたネリ・ミクラウス社長が初めて本紙の取材に応じ、自らの経歴や経験について語った。さらに本社のアジアを統括するピアッジオ・ベトナムが掲げた計画「日本市場を強化」についても言及した。

ミクラウス社長はイタリアで1983年生まれの35歳。高校時代はバスケットボールに熱を入れていた。イタリアの大学と大学院では経済発展について学び、主にアフリカや東南アジアなどの新興国の経済発展について学んだ。「いつも海外に住んでみたいと思っていた。常に世界中で仕事をしたいと考え、いろいろな国の文化などに触れてみたいと思っていた」と、当時の思いを語った。

学生時代はインターンとしてコンサルティング会社で社会人の経験、2009年に大学院を卒業後、社会人としてベトナムのハノイにあるイタリア大使館での仕事を得た。

イタリア大使館では1年間務め、両国の貿易拡大、強化の仕事に携わった。大使館での経験は1年間としながらも、学生時代に求めていた「海外での生活、文化の違いを体験し学んだことは大きい」としている。

同大使館の後、ピアッジオグループ(PG)へ入社。同大使館で就業中の頃、PGがベトナムへの進出を展開しており、PGが魅力的に感じていた一方で、同社のベトナム事務所からの誘いも重なったと、PGへ入社した経緯を話す。PGはイタリアでも大手企業で「現在もそうだが、当時PGにとってベトナムは大きな市場であり、ベスパなどのブランドの認知も非常に高く、PGの魅力を感じた」と入社の理由を語る。

PGベトナム入社してからはセールスプラニング・マネージャーとして仕事に取り組んだ。同部門のディレクターの下で、主に販売と生産について分析や管理に携わった。仕事ではアジア各国での販売状況や販売策が行われているのかに加え、「生産から販売まで一貫して見ることができ、貴重かつ重要な経験が得られた」とビジネスでの大きな経験を述べている。特に各国の市場を示す情報やデータ、仕様を具体的に見て「どのモデルが、どこの市場で支持され売れるのか。どのモデルが、どこの国で販売可能か」など、市場データを基にした「分析は興味深い」としている。

ミクラウス社長の社会人としての経験はPGが長い。これまでに仕事を通じて学んだことは「目標を達成すること」と単刀直入に述べた。特に仕事では「小さな細かいところに気を配ることや、柔軟性」の大切さを挙げている。自己評価として長所、短所を挙げてもらったところ、長所については「何事でも全体像を見るところだろう。また全体の中の細かいところで一つひとつ、どのような影響があるのかを見るところ」を挙げた。短所では「現実的なところに気を取られて、大きく夢を描けないところだろう。だからもう少し大きく目標や夢、希望を持てるように心がけている。そうでなければ人間、前に進まない」と述べた。

こうしたミクラウス社長の幼い時代は両親より「長期的なビジョンを持つこと。またそれに対しコミットすること」を言い聞かされたという。自身では目先よりも長期的に物事を見て考え、それに向けて進むことを心掛けているという。

またPGJのトップとしてリーダーシップについて、PGの日本市場の代表として誇りを持って取り組むという。製品はイタリアの高い品質や基準で製造され、長い経験や歴史を重視して造られており、こうしたPGの背景や考えをエモーショナルに感じてもらうことを挙げている。「我々が提供する製品は、単なる商品ではなく、ライフスタイルであり、我々の情熱や価値を、体験により感じてもらうこと。こうしたことを社員やお客様に感じてもらうこと」と、常にパッションを持ってやっていきたい意向を示している。

自社の組織運営やマネジメントについては、人それぞれに長所と短所が存在するが「各人の長所を活かせるように。さらにその人が最高の実力を発揮できるように」などと、重要と考える点を挙げている。

一方、3月に取材したピアッジオ・ベトナム会長兼アジアパシフィック副社長のジャンルカ・フューメ氏は「今後3年間、日本市場の強化」を挙げたことについて、ミクラウス社長は「努力して取り組む」とした上で、日本には強力な4メーカーの存在もあり「簡単ではない。ただ、日本のお客様は上質、洗練された人が多く、我々のブランドを提供し魅了していきたい」と強調した。

PGが世界市場で展開を始めた販売網の「モトプレックス」を名古屋に続き、都内にベスパとモト・グッツィのモトプレックス()を開設したことについては、日本市場ではまだ導入間もなく店舗は少ないが、今後徐々に開設していくと強調。販売網のチャネル構成は「モトプレックスのCI導入店と3ブランド扱い店。このうちCI導入店は全国展開し、3ブランド取扱店は大都市にそれぞれ1店舗を開設したい」と販売網の計画を述べた。

紙面掲載日:2018年8月24