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2016-08-26

二輪車安全運転全国大会 47都道府県代表選手が鈴鹿で安全を競う 東京都が団体優勝 4年ぶり11回目

一般のライダーが市販車に乗り安全運転技術を競う「第49回二輪車安全運転全国大会」(今井敬大会会長)が、全日本交通安全協会・二輪車安全運転推進委員会の主催で8月6日、7日、三重県鈴鹿市の「鈴鹿サーキット交通教育センター」で開催された。各都道府県(地区・支部大会を含む大会出場者数は1532名)から選ばれた代表選手が猛暑の厳しいコンディションの中、安全運転テクニックを競った。団体部門では、東京都チームが3885点(満点は4000点)を獲得して優勝。また、高校生等クラスで優勝した群馬県代表選手には文部科学大臣賞が授与された。

 

この大会の主旨は、一般の二輪車ライダーの安全運転技能と交通マナーの向上を図ることにより、交通事故を防止しようとするものであり、68年に第1回大会が開催されて、今年で49回を迎える伝統ある大会。

大会の後援は警察庁・内閣府・文部科学省・日本二輪車普及安全協会・日本自動車工業会。協力は三重県警察本部・三重県交通安全協会。協賛は全国軽自動車協会連合会・日本自動車整備振興会連合会・日本モーターサイクルスポーツ協会・日本交通安全教育普及協会となっている。

大会での団体および個人の優勝者に対して、警察庁長官・全日本交通安全協会会長連名の賞が贈られ、高校生等クラスの個人優勝者には文部科学大臣賞が授与されており、この大会の社会的な評価を高めている要因の一つと言える。

今大会は、47都道府県から地方大会を優秀な成績で通過してきた選手184人(高校生等クラスの不参加県が4県あった)が4クラス(①女性クラス=使用車50cc②高校生等クラス=使用車50cc③一般Aクラス=使用車400cc④一般Bクラス=使用車750cc)に分かれて、A・B・C・Dの4ブロックのコースを1回ずつ走り安全テクニックを競う。競技は「法規履行走行」と「技能走行」の2種目。各選手の持ち点1000点(法規、技能ともに500点ずつ)から減点され、団体部門と個人部門で表彰される。

まず法規履行走行は、指定された模擬公道コース(Aブロック)をいかに法規を守って走るかという競技。そのため安全運転のための法規を守る能力(一時停止、進路変更、合図、右左折など)を採点する。

一方、技能走行はB・C・Dブロックで、コーナリングなど9の課題が用意され、1課題/1トライ制で走行する。技能走行する多くのセクションでは走行基準タイム通過スピードに制限が加えられている。このセクションを転倒、脱輪、パイロン接触、車体接地、足着きがなく、的確な速さで、なめらかに通過できるかが審査の対象となる。

各ブロックの内容は▼Bブロック=▽コンビネーションスラローム(ほぼ直線状に並んだパイロン間を抜ける)▽スラローム(屈曲の多いコースを走り抜ける)▽コーナリング(規定半径数の半円を標準速度で抜ける)▼Cブロック=▽▽ストレートブリッジ(幅30cm、長さ15mの一本橋を20秒以上で通過する)▽応用千鳥(直線で区切られた枠内を連続180度ターンで抜ける)▽ブレーキング(指示速度で走り、指定位置で制動をかける)▼Dブロック=▽悪路応用(濡れたビニールシートで作られた低μ路を通過する)▽ブロックスネーク(幅30cmの障害屈折狭路を抜ける)▽レムニー(斜面の8の字コースを旋回する)。

炎天下の鈴鹿で2日間の熱戦

大会初日の12時から開会式がサクラホールで開かれ、競技は午後1時30分から交通教育センターで開始された。競技会場は真夏の炎天下という過酷なコンディション。競技用車両は主催者がクラスごとに同一銘柄車を用意している。選手はアクセル、クラッチ、ブレーキやハンドル切れ角など車両個体ごとの微妙な癖に即座に慣れなければならない。

スタート地点に立った選手は、前後左右の安全を確認してからスタートしていく。各セクション1トライということもあり、緊張感の中で集中心を高め、かつ平常心で走行できるかが成績の分かれ目となる。減点ゼロでセクションを通過した選手に応援団の声援が沸き起こる。5時前には競技は無事終了。その後、希望者は国際レーシングコースでの体験走行をすることができた。

7時からはサクラホールで、選手と役員が参加して夕食パーティーが開催された。冒頭、柳弘之大会副会長(自工会二輪車特別委員会委員長)が、1週間前に同じく鈴鹿で開催された8時間耐久ロードレースの結果に触れ「レースはライダー、マシン、チームマネージメントの3つが最高の状態で組み合わさると勝てる。明日の戦いにおいても、スキルだけではなく、チームをまとめるという思いで力を発揮してほしい」と参加選手を激励し乾杯の音頭をとった。その後、楽しい交歓の一時を過ごした。

2日目は走行ブロックを変えて、午前8時から11時30分まで前日同様猛暑の中、競技が続けられた。

競技終了後、国際レーシングコースのホームストレートで、選手全員によるパレードが行われ、続いて全選手が整列しての記念式典が行われた。まず伊東孝紳副会長(日本二輪車普及安全協会会長)が「二輪車関係団体・業界は、安全で快適な二輪車利用の実現を目指し、今後も安全運転講習等や胸部プロテクター着用の推奨などの各種対策をしていく。選手の皆様方には、これまで培ってきた豊富な安全運転の知識、技能を地元に帰って仲間や地域の人に拡げ、二輪車の安全運転推進の中核となって活躍してほしい」と激励の挨拶をした。続いて森元良幸三重県警察本部本部長は、二輪車関連の交通事故情勢を踏まえた上で「本大会を契機として、それぞれの地域や職場において、二輪車を愛する方々と共通の思いで一層の安全運転推進をしてほしい」と式典を締めくくった。

こうして2日間の大会競技を終了し、午後にはサクラホールで表彰式が行われた。団体優勝は東京都で4年ぶり11度目。2位は兵庫県、3位は一昨年の覇者である埼玉県。

表彰式の最後に、木岡保雅審査委員会委員長(全日本交通安全協会常務理事)が「減点の多かった項目は法規履行走行で交差点侵入時の安全確認の遅れ、合図の戻し忘れなど。技能走行では、車体接地やつま先の開きなどの乗車姿勢不適が多かった。しかし、各大会で選ばれた選手の皆さんは、二輪車安全運転全国大会に相応しい高いレベルであり、スポーツマンシップに則った素晴らしい大会となった。この大会出場を契機にさらに二輪車の交通事故防止と普及促進が図られることを祈念する」と競技の講評を行い、大会を締めくくった。

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各都道府県の4選手が横一列に並び国際レーシングコースを走行する記念パレード

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的確なハンドル操作と重心移動が要求される「スラローム」(高校生等クラス)

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適切な傾斜角度でバランスを取り曲路を走る「コーナリング」(女性クラス)

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水が流れる低μ路をバランスを保ち通過する「悪路応用走行」(一般Aクラス)

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シビアな車幅感覚が求められる「応用千鳥走行」(一般Bクラス)

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夕食パーティで選手を激励する柳大会副会長

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記念式典で選手を称える伊東大会副会長㊤と森元三重県警察本部本部長

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団体優勝の東京都チーム。左から古賀弘樹、木津谷香織、福島宏昌、須永弘子選手の各選手

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一般Bクラス優勝の古賀弘樹選手(東京)

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一般Aクラス優勝の小谷隆雄選手(兵庫)

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女性クラス優勝の石井マリエ選手(滋賀)

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高校生等クラス優勝の石綱拳大選手(群馬)

◇第49回二輪車安全運転全国大会成績(上位6位/敬称略)
【団体】①東京=3885点②兵庫=3855点③埼玉=3845点④沖縄=3820点⑤神奈川=3815点⑥福岡=3810点
【個人・女性】①石井マリエ(滋賀)=985点②村山絵美(静岡)=980点③加藤由貴子(神奈川)=980点④常本英里(富山)=975点⑤須永弘子(東京)=970点⑥林田さおり(福岡)=970点
【個人・高校生等】①石鋼拳大(群馬)=995点②福島昌宏(東京)=990点③菊田宣親(神奈川)=980点④橋本耕希(宮城)=975点⑤上山直樹(新潟)=975点⑥迫彩香(大阪)=975点
【個人・一般A】①小谷隆雄(兵庫)=995点②金井涼(長野)=995点③青木みさ子(大阪)=980点④園部昌仁(埼玉)=980点⑤丸山浩典(山口)=970点⑥小磯修平(茨城)=970点
【個人・一般B】①古賀弘樹(東京)=985点②佐藤晃彦(福島)=980点③浅田顕治(埼玉)=980点④石井一久(静岡)=970点⑤三皷正則(大阪)=970点⑥藤井信行(山口)=960点
◇使用車両
▽女性クラス(50㏄)=スズキアドレスV50▽高校生等クラス(50㏄)=ヤマハジョグ▽一般Aクラス(400㏄)=カワサキER-4n▽一般Bクラス(750㏄)=ホンダNC750L

紙面掲載日:2016年8月26日