トピックス

2017-06-30

2017トライアル日本GP T・ボウが両日とも優勝 藤波は1日目3位表彰台

2017FIMトライアル世界選手権第2戦STRIDER日本グランプリ」が5月2728日、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。

2日間でDAY1、DAY2として争われた日本GP。開催クラスはTRIAL GP、TRIAL2、TRIAL125の3クラス。今年からトライアル世界選手権のルールが変わり、決勝の前に予選が行われ、出走順が決められることとなった。第1セクションを使用し行われ減点数の順が後ろとなる。TRIAL GPクラスの予選は唯一の減点0=クリーンで通過したJ・ダビル(GASGAS)が1位となり、2位には減点2のJ・ファハルド(Vertigo)、3位には11連覇を目指す昨年のチャンピオンT・ボウ(モンテサ)が減点2でつけた。同じ減点数の場合はセクションを通過したタイムで争われ、黒山健一(ヤマハ)が5位、藤波貴久(モンテサ)は7位、昨年の全日本チャンピオン小川友幸(ホンダ)は9位となった。また、決勝は昨年までの1日で12セクション3ラップから15セクションによる2ラップで争われるものに変更された。

決勝1日目となる27日土曜日は朝から雨となり、昼過ぎには止むものの、ぬかるんだ各セクションは難易度が増し、岩についた泥で滑ったり、ぬかるんだ路面に助走が思うようにいかなかったりなど、選手達を苦しめた。また、手こずるセクションに時間をとられ、1LAP目の規定時間に追われる選手が目立つなど厳しい日本GP初日となった。

1LAP目終了時のトップは唯一のクリーン7つを出したT・ボウ。難しいコンディションでもチャンピオンらしい強さを発揮。2LAP目に入り、他のライダーが減点数を増やしたり、セクションによっては減点5を出し完走もままならぬなか、ボウは1LAP目で減点5となった第3、第10セクションで減点を1とするなど強さをみせた。圧巻は最終15セクションで出場選手誰もができなかったクリーンを達成、このぬかるんだコンディションの中、1LAP目よりも2LAP目で減点を減らすという好走をみせ、総減点数48と2位と24もの差をつける大差で1日目を優勝。2位には予選トップだったJ・ダビルが入り日本GP初表彰台獲得。3位には日本人ライダー藤波貴久が4位と1差ながら表彰台登壇を果たし、訪れた地元日本のファンを沸かせた。

▼DAY1 3位藤波貴久

「3位表彰台が取れてとても良かった。自分にとって簡単なセクションはなく、1ラップ目では簡単なセクションだと感じてもラップ2で難しかったりだとか、環境が常に変わっていくのでとてもチャレンジングなレースだった。終始難しいコース環境のなか、自分にとっても、3位で終われたというのはすごく大切なことだった」

2日目は朝から晴れ、気温も上がるなか開催された。各セクションもほぼドライコンディションとなり、各ライダーはクリーンを連発。昨日の覇者T・ボウはコンディションの回復でさらなる安定した強さを発揮。1LAP目5セクションまでは予選の上位、ボウ、ファハルド、ダビルの3人がオールクリーンで通過。ボウは第6セクションで1点減点のミス、難関となった第7セクションは減点5となるが、その後はクリーンを連発、11セクションで減点2となる以外はすべてクリーン、総減点8という圧倒的な数字で1LAP目を終了した。2位には木曜の予選で17位となってしまっていた16年ランキング2位A・ラガ(TRS)が減点14で、3位にはA・カベスタニー(シェルコ)、が減点17でつけていた。昨日表彰台に登壇した藤波は減点20で4位となっていた。

2LAP目、ボウよりも出走順が早いラガだが、1LAP目、減点1を重ねた2、3、5セクションをクリーンで通過。1LAP目を上回る走りでボウを追い上げる。ボウは6セクションまでクリーンで回り、ほとんどのライダーが5となった7セクションはやはり5となるが、クリーンだった8を1、2だった11では5、クリーンだった13で3と1LAP目より減点を増やしてしまう。ラガは2LAP目を減点9という好成績で抜け、トータル24(タイムオーバーの減点1含む)で終了していた。最終セクションを残しボウの減点は22。ミスで首位を失う状況のなか、大観衆の注目を浴びながら滝登りの難関第15セクションをクリーンで登り切り、前日に続き優勝。日本GPの両日を制覇した。2位はラガ、3位は減点30でカベスタニーが入り、2日目の表彰台はスペイン人が独占した。

▼DAY2 優勝トニー・ボウ

「昨日、今日と勝てて、シーズンの滑り出しとしてはこれ以上にない。日本での選手権というのは、なかでも大事なものだと思っている。今日のコースは簡単だったが競争が激しく、難しい状況ではあった。今日、セクション11でミスしたのが心残りだったが、最後のセクションを気持ちでプッシュして乗り越えたのが良かった。日本のファンは状況を理解してくれて盛り上げてくれるので、僕にとっても楽しいレースをすることができた。観客の皆さんに感謝している」

トライアルGPクラスに加えトライアル2、トライアル125と世界選手権などを戦う多くのライダーがもてぎの森で2日間、15のセクションに挑んだ。選手の息遣いも感じられるような観客のすぐ前で「そんなことができるんだ」と感心させられる、様々な妙技が披露された。

次に登る岩に向かう途中の下り坂で、ブレーキをかけながら前輪だけで降りつつ浮いた後輪を空転させタイヤに付いた泥を弾き飛ばしたり、両足をステップに乗せたまま車両を静止させるスタンディングの状態でいつまでもスタートを待つ様子や、クリーンで通過したあとの喜びを表すマシンの向きが180度以上も変わってしまうエアターン、流暢な藤波選手のスペイン語など、結果表には現れない、実際に来ないと観られないものもたくさんある。セクションに挑む選手をじっと見守り、クリアした際は歓声をあげ選手と一緒に喜びを分かち合えるのもトライアルの醍醐味といえるだろう。

トライアル世界選手権日本GPの2日間の観客数は1万6200人(276700人、289500)


両日ともに優勝したT・ボウ選手。10年間王者に君臨する強さを存分にみせつけた


1日目、地元日本で3位表彰台を獲得した藤波貴久選手

紙面掲載日:2017年6月30