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2018-06-29

2018 トライアル日本GP ファハルド、ブストが優勝 藤波は初日3位、ボウは2日目に2位

2018FIMトライアル世界選手権第2戦ストライダー日本グランプリ」(主催=日本モーターサイクルスポーツ協会、モビリティランド)が6月2、3日、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。両日にわたり決勝が開催され、天候にも恵まれ、来場者数は1万8400人(1日目8600人、2日目9800人)にのぼり、昨年を超えた。

2018トライアル世界選手権の開幕戦はスペインで5月20日に行われ、昨年11連覇を達成した王者T・ボウ(モンテサ)が優勝。昨年の日本GPも両日にわたり優勝したボウだが決勝日の出走順を決める6月1日に開催された予選では、トライアルGPクラスのライダーのほとんどが減点無しで終える中、減点1を喫し予選13番手で15人いるうちの3番手スタートとなってしまう。トライアルでは後のスタートの方が有利とされており、予選トップには今年ガスガスに移籍したJ・ブストがつけ、最終ライダーとしてセクションにチャレンジする。

日本GPはボウらが参戦のトライアルGPクラス、トライアル2、トライアル125の男子クラスに加え、トライアルGPウィメン、トライアル2ウィメンの2つの女子クラスも日本GPで初開催され、全5クラスで行われた。

日本人選手はトライアルGPクラスに小川友幸(ホンダ)、黒山健一(ヤマハ)、野崎史高(ヤマハ)、トライアルGPウィメンには全日本女子トライアルチャンピオンの西村亜弥(ベータ)が参戦したほか多くの日本人選手が各クラスに参戦した。

トライアルは、セクションと呼ばれる自然の中にコーステープなどで作られたルートを、バイクを操り足を着かずに走破する技を競う。セクションの中で1回足を着くと減点1、2回着くと同2、3回以上は何回着いても減点3。停止、転倒、逆行などは減点5でそのセクションは失敗となる。セクションはツインリンクもてぎの自然の中に15個が設けられ、1日で2周し、トータル減点数の最も少ない選手が優勝となる。

昨年とは異なり、晴れのコンディションとなった決勝初日の1日目。良コンディションの中、参戦ライダーは好走をみせ、最高峰となるトライアルGPクラスの各選手は、減点0のクリーンで各セクションをクリアしていく。しかし、昨年のチャンピオンのボウが早くも第4セクションで減点5を出してしまう。ボウは開幕戦こそ優勝しているものの、その前のインドアトライアル大会で負った背中の負傷の影響などもあるのか、11セクションで減点3を出し、続く1315セクションで減点5を出すなど振るわず、1ラップ目は減点18の暫定3位で終える。暫定2位には減点8と好走をみせた世界選手権参戦の日本人ライダー藤波貴久(モンテサ)がつけ、暫定トップには前日の予選でクラス最下位の出走順トップとなったJ・ファハルド(ガスガス)が減点0のオールクリーンという快挙をみせていた。

2ラップ目、減点5を喫したセクション4をクリーンするなど強さをみせたボウだが、第7、15セクションで減点5を喫し1ラップ目よりも減点を12と、少なくするもトータル減点は30。2ラップ目に崩れた藤波は減点20となるが、トータル28とボウに2点差で3位となり表彰台を獲得。2位には1ラップ目、減点18ながら、2ラップ目は14セクションまでオールクリーンで回るという追い上げをみせたA・ラガ(TRRS)がつけ、トータル減点23で藤波を交わした。

ファハルドは2ラップ目、第6セクションまでクリーンを続ける好走で、第7で減点1となるも、その後も6つのセクションをクリーン、第1115セクションで減点5を出すもトータル減点

11というスコアで1日目を優勝。ファハルドにとっての優勝は09年以来のものとなった。

▼1日目優勝=J・ファハルド
「今日起こったことは信じられない。驚くべき日になった。昨日の予選からしたら今日の走りはまさにびっくりだ。できるだろうとも思っていたが、ミスもしやすいと思っていた。1周目は本当に信じられないラップだった。開幕戦で表彰台に立てなかったので、チャンピオンシップに絡むこともできて、今日の勝利はとてもうれしい」

▼1日目3位=藤波貴久
「体のコンディションも正直70%ぐらいで、表彰台は到底無理だと思っていたので、3位だけどとてもうれしい。1ラップ目はすごくいい走りができた。今日のこの結果はホンダと応援してくれたファンの方のおかげだと思っている」

2日目も好天の中、開催。1日目よりも3、5、6、9、1314セクションでコースの難易度が変更された。

昨日、表彰台をも逃す4位となったボウは1ラップ目から強さをみせ、昨日減点5となった第4セクションをクリーンするなど減点0を連発、第7セクションで1となるも安定してクリーンを重ねていくが、1315セクションで減点5を重ねるなど総減点11で1ラップ目を終える。昨日2位だったラガもボウに並び第6セクションまでクリーン、第7セクションで減点2を喫し、ボウに遅れをとるも13セクションをクリーンとするなど減点8で1ラップ目を終え暫定トップとなる。3位にはブストが減点12で続いていた。

2ラップ目、暫定トップのラガは第2セクションで2日間を通じて自身初となる減点5というミスで後退、ボウも第5、第8セクションでミスするなどラガと争う。予選トップで出走順が最後となるブストは、チャンピオン経験者2人の走りの後にセクションにチェレンジしていくも、2ラップ目は12セクションまで減点僅か1に抑える強さで、1ラップ目と合わせても減点13という好走をみせる。さらに、ボウが減点3、ラガが同5で抜けたセクション3を減点1でクリアする走りをみせ、トップを確実なものとし、日本ラウンドの2日目を優勝。自身では世界選手権初優勝を日本で達成した。GASGASとしては昨日のファハルドに続き連勝となった。

▼2日目優勝=J・ブスト
「優勝は、とてもうれしい。今日はバイクの感触が非常に良かった。でも、勝ったことが信じられない。自分でも驚いている」

女子クラス初開催

日本GPでは初開催となった女子クラス。最高峰となるトライアルGPウィメンクラスは、昨年まで4連覇を達成しているチャンピオン、E・ブリストウ選手(シェルコ)が、初日が減点7、2日目は減点16、二日間を通じ減点5は2、クリーンは49という圧倒的スコアで両日ともに優勝を果たした。

▼1日目、2日目優勝=E・ブリストウ
「2日続けて優勝できてとてもうれしく思う。シーズンを完璧にスタートできたのもうれしい(女子クラスは日本が開幕戦)。昨日より今日の方が難しかった。ミスをしやすかったが、なんとかうまくやれた。とても記憶に残る日本での良い週末になった」

周辺イベントも多彩に展開

ツインリンクもてぎでは、トライアル日本GPに合わせ、ファミリーやバイク乗りが楽しめるイベントが開催された。

▼BIKE BIKE Active Family Festival

グランドスタンドプラザ内の特設コーナーでは、子どもが参加できる様々なアクティビティが実施された。トライアル日本GPの冠スポンサーであるストライダーを使用したレースが開催されたほか、ストライダーや自転車で自由に走ることができるエリアが設けられ、子どもたちが元気に駆け回りながら二輪の乗り物に親しむ姿がみられた。

▼GPコースエクスペリエンス

一方、ロードコースでは、自分のバイクでMotoGPライダーと同じコースを走行体験できるという「GPコースエクスペリエンス」が6月2日に開催された。MotoGPマシン開発ライダーの青木宣篤さん、元MotoGPライダーの中野真矢さん、タレントの下川原利紗さんが先導し、一層盛り上げた。

同イベントは、トライアル日本GPにバイクで観戦に来てもらおうという趣旨で昨年初開催されたもの。49cc以上の公道走行可能な車両であれば車種を問わず、革ツナギなどの装備がなくても走行可能なため、昨年はバイクでの来場数が増えたという。

さらに、二人乗りができるということから、「夫婦でトライアルを観に来たが、タンデムでサーキットを走るなんてなかなかできないと思って、車に100ccのミニバイクを積んで来た」と話す男性のように、後ろに同伴者を乗せて一緒にサーキット走行を楽しむ人も多く見られた。

一方、体験走行を目的とした参加者をトライアル観戦に誘導するという効果もあり、「トライアルは観たことがなかったけど、選手たちが練習しているのを間近で見て、興味が湧いた。午後から観戦しようと思う」と、これまでトライアルに馴染みのなかった層に関心を持たせる相乗効果も生んだようだ。各日の13時から観戦可能な当日券「アフタヌーンチケット」も2000円で販売された。


世界選手権初優勝となったJ・ブスト


09
年以来の優勝を果たしたJ・ファハルド


連日表彰台を獲得したA・ラガ


初日に3位表彰台を獲得した藤波貴久


2日目に2位となったT・ボウ


世界選手権4連覇の実力を見せ付けたE・ブリストウ


トライアルGPウィメンクラスに参戦した、全日本女子チャンピオンの西村亜弥


子供達によるストライダーの大会なども開催


コースを愛車で走る参加者。タンデムも多数参加


著名人による先導も(左より中野さん、青木さん、下川原さん)

紙面掲載日:2018年6月29