ホンダの販売店「Honda Dream(ホンダドリーム)」の店舗スタッフが、日頃より研鑽を重ねた技術と知識を競う「第12回ホンダドリームスタッフ技能コンテスト全国大会」が2月20、21日、ホンダ二輪製品の国内生産拠点であるホンダ熊本製作所を会場に開催された。このコンテストは、競技として競うことでさらなるレベルアップと意識の高揚を図り、また、参加者相互の交流や情報交換などによりドリームネットワークでの「お客様満足度の向上」を目的に、全国ホンダドリーム会研修委員会が主催、ホンダモーターサイクルジャパンの後援で毎年開催されている。今年で第12回目となるが、熊本製作所での開催は4回目。昨年4月より販売チャネルが一新され、ホンダドリームが本格スタートしてから初の開催ということで、試験の内容も変更が加えられるなど、さらなる質の向上への意欲が感じられる大会となった。サービスとセールスの2部門で争われ、東日本、西日本、九州の各ブロックの地区大会に進んだ114名の中から27名が全国大会進出を決め、熊本製作所に参戦した。

試験はセールス、サービス両部門ともに筆記試験と実際の店舗を想定してのロールプレイング競技となる実技の2つがあり、セールスのほうは、10分ほどの時間内で、CB400の相談に普通二輪免許所持の40代男性が、初めて店舗にやってきたという想定。店舗のカウンターを模したセットでの選手と来店客役とのやりとりを、採点の試験官が見守る中での競技となった。

ドリーム本格始動後初の開催 試験内容も変化

ホンダCB400にはスーパーフォアとスーパーボルドールがあるが、来店者の使用用途を聞き出し、高速メインのツーリングということから、スーパーボルドールを薦めたり、あいにくと現車が両種ともに無く、2日後に入荷という設定のため、後日の来店を促したり、お客の不安点などを聞き出して、ドリーム店の強味であるレスキューサービスや、任意保険の立ちごけ保障を説明するなどしていた。

実技競技が去年と大きく変わったのはサービス部門で、これまでは技術の正確性や迅速性、故障個所の発見などの技術が主に競われていたが、今回は、最初に車両とパソコンをつないで診断するMCSを用いて、パソコン内にあるデータから不具合箇所を診断する試験があり、車両や工具にも触れない現代的な内容からスタート。実際の車両を用いた試験ではCB1000Rが用意され、お客から車両を受け取り、症状などを面談し伺うことから始まり、預かった車両の問診、修復へと移る。

これまでは、車両の不具合の発見、原因究明、修復などの技術が競われるのが主であったが、今回はそれらに加え、不具合箇所の発見や修理ができずとも、選手たちには途中で不具合や修復方法の内容が明示され、それをもとに、お客にどう説明し、受け渡すかというところまで審査対象とされた。

サービスであるが、試験は接客に始まり接客で終わるという、整備技術だけでなく、お客への対応、接客だけでなくおもてなしまでも含まれる、ホンダがいう「接遇力」などが問われるものとなっていた。数多くの電子制御が投入されている最近の車両にあって、車両をパソコンにつないでの診断は必須であり、そういった最新の整備技術と、これからのホンダドリーム店サービススタッフとしては接偶力も求められていくのが試験内容から感じられた。

昨年春より本格始動したホンダドリームだが、参加選手らに話を聞くと「忙しくなった」「新規のお客様が増えた」などといった声も多く、全ホンダ二輪車が揃うホンダドリームの認知は進んでいるようである。

競技翌日に行われた模範解答では、セールス、サービスそれぞれの担当に加え、ビジネスマナーや接遇の担当者が講評を述べるなど、関係者からは「あなた方のお店はこれから、もっと忙しくなります。さらなる質の向上でホンダファンをもっと増やしていってほしい」「2台目を売るのはサービス担当者だと考えている」旨の発言が出ていた。

今回の結果は▼セールス部門【最優秀賞】要垣内真さん(ホンダドリーム広島)【優秀賞】外山竜太郎さん(ホンダドリーム豊橋)【優良賞】木寺香織さん(ホンダドリーム博多)▼サービス部門【HMSE1-2級】最優秀賞=峯聖人さん(ホンダドリーム新宿)▽優秀賞=高阪健二さん(ホンダドリーム名古屋西)▽優良賞=山根英治さん(ホンダドリーム福岡西)【HMSE3級】最優秀賞=幡野功次さん(ホンダドリーム滋賀※HMSE3級は最優秀賞のみ)となった。

サービス部門で昨年優秀賞となり、今回ついに最優秀賞を獲得した峯聖人さん(ホンダドリーム新宿)は、試験内容が大きく変わったことに戸惑いもあったようだが、車両へのサービス力のみならず、接遇の面でも笑顔と柔らかな対応をみせ、車両受け渡しの際も、メンテナンスパックなどの車両面の提案にとどまらず、ドリームの様々なイベントについても言及するなど、セールス担当のような一面もみせていた。

◆最優秀賞受賞者の声

▼要垣内真さん(セールス部門)「このコンテストに参加の機会をもらえたことに大変感謝しているし、最優秀賞をとれてとてもうれしい。店に帰ってスタッフとともに喜びを分かち合いたい。今回は限られた時間の中で、大切なことを伝えていくことの難しさを実感した。新しいドリームになってお客様が求めるレベルが高くなっていると感じる。最優秀賞を頂いたが、自分もまだまだ改善、改善、改善だと思っている。これからもお客様の期待を上回るような店舗づくりをスタッフみんなでやっていきたい」

▼峯聖人さん(サービスHMSE1-2級)「今回で2回目になるが、最優秀賞を頂けて本当にうれしいのと、お客様からも『頑張ってきて』などといわれていたので、励みになったし、結果を残せて本当にうれしい。去年勉強したことをベースにeラーニングや講習とかで勉強したが、試験内容が大きく変わっていたので戸惑いはあった。やはり普段の業務をどれだけ一生懸命やるかが大事なんだと感じた。今回の経験は店舗内のスタッフだけでなく、うちの法人内でも落とし込んで共ていきたい。ドリームの本格始動で店は忙しくなった。他店からもお客さんが来るようになり、接客面など求められるものもすごく高くなった気がする。車両診断なども迅速性が求められるようになってきている。車両も新技術が多く入ってきているが、現場で「分からない」ではつとまらないので、これからも日々勉強を続けていきたい」

▼幡野功次さん(サービスHMSE3級)「最優秀賞を頂き、感激している。正直、とれるとは思っていなかった。自分は普段はサービスをメインでやっているので、車両について分からないことはマニュアルなどで確認し、普段から知らない知識については勉強するようにしていた。ドリーム店の本格始動で新規のお客さんにも多く来店頂いている。そういったお客さんたちは高い意識で来店されているように思う。そういったお客さん達を満足させられるような質の高いサービスを提供できるようにがんばっていきたい。今回の熊本では、工場見学や全国で頑張る仲間と交流がもてて、とても楽しく勉強にもなった」

画像: 地区大会を勝ち抜いたドリーム店のスタッフが日頃から培った技術を競った

地区大会を勝ち抜いたドリーム店のスタッフが日頃から培った技術を競った

画像: 全国ホンダドリーム会 足立吉夫会長

全国ホンダドリーム会 足立吉夫会長

画像: セールス部門の実技競技の様子

セールス部門の実技競技の様子

画像: サービス部門の実技競技の様子

サービス部門の実技競技の様子

画像: サービス部門(HMSE1-2級)表彰。左より足立会長、最優秀賞の峯聖人さん、優秀賞の高阪健二さん、優良賞の山根英治さん

サービス部門(HMSE1-2級)表彰。左より足立会長、最優秀賞の峯聖人さん、優秀賞の高阪健二さん、優良賞の山根英治さん

画像: サービス部門(HMSE3級)表彰。足立会長(左)と最優秀賞の幡野功次さん

サービス部門(HMSE3級)表彰。足立会長(左)と最優秀賞の幡野功次さん

紙面掲載日:2019年3月22日

This article is a sponsored article by
''.