2016年10月にドゥカティジャパンではティエリ・ムテルドゥ社長が着任。昨年末までには首都圏のディーラー数店を訪問したほか、販売での分析、年末での拡販のための施策を展開。17年では全国のディーラーを早々に訪問し、流通での現状を視て市場の把握と分析に取り組む考え。とは言え、昨年末でのディーラー訪問から、おおよその課題も示唆しており注力点では詳細の言及は避けたものの、ディーラーレベルでの質や活動を、あるべき平均値に高める必要を指摘。店舗当たりの販売台数や収益の拡大を重視していく意向を示している。

ムテルドゥ社長の経歴は大手食品メーカーからダイネーゼに入社し、同社フランスのマネージャーを6年務めた後、東ヨーロッパ担当を9年、そしてアジア・パシフィックを担当し日本でのダイネーゼショップを立ち上げた。10年にはドゥカティに入社し、フランスのゼネラルマネージャーに就任、15年よりウエスト・ヨーロッパ社長を務めた後、現職に就いた。これまで仕事で得た教訓では、特に大企業であった食品メーカー時代には、事を伝えるコミュニケーション能力の重要性を学んだことを挙げており、日本でのディーラーとの関係構築でも、この点を重視している。

17年1月中旬から日本に常駐するムテルドゥ社長は、16年10月の着任からわずか2カ月、イタリアとの往復の間、首都圏のディーラー数社を訪問。同社世界レベルの平均値との差を観察したこの段階での結果は、販売面での活動に伸び代があることを指摘。

一方、16年12月時点での販売は15年の販売台数を超え2800台と見込んでいた。16年前半は年頭より新型を相次いで投入したことで前年を大きく超えた形となり、そのおかげで後半が低く見えがちだが、台数だけ見ると微増ではあるが、収益では高額品が売れたので悪くはないとしている。

17年での方針や活動の詳細の言及は避けているが、3月頃までには全国57店あるディーラーへ早急に訪問する考えで、WinWinの活動の模索や全国のディーラーの平均値を確認して、同社の世界基準の平均値とのギャップの有無の確認、ディーラーとのコミュニケーションを深めていくなどとしている。ディーラーでの活動の中心には基本である「やるべきことを確実に実行」していくことを念頭に挙げている。

特に一部だが訪問したディーラーの観察からは、販売のための仕組みあるマーケティング活動への強化や投資が必要であることを強調。個人的な観点からはプレミアムブランドにふさわしいディーラーネットワークの構築を目指す考え。店舗数では拡大よりも店舗当たりの台数や収益の増加を重視すると強調。販売戦略ではユーザー誘引として、数多くのニューモデルの投入に加えて、ドゥカティの強みである情熱をうまく活用しファン誘引へ結びつけたい考え。

他方、二輪車業界が取り組む国内販売100万台構想について同社では、JAIA(日本自動車輸入組合)を通じて活動に参加。各メーカーや関係者らを含めて業界全体で、バイクに興味がない若者にも、バイクのある生活、喜びなどを伝えることを最大限に行うことが重要としている。

画像: ドゥカティジャパン ティエリ ・ムテルドゥ 社長/販売店「平均値」高める 店舗当たり台数、収益を重視

紙面掲載日:2017年1月1日

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