我が家のクルマは娘よりも高齢ながら、元気に走ってくれており、遠く九州の帰省や日々の取材など、どんなところにも連れていってくれる非常に頼れる相棒であり、家族にとっても、時にバス、時にトラック、はたまた救急車になったり、雨風、寒さ暑さをしのいで音楽まで聞かせてくれ、娘、嫁には快眠まで提供するすごいやつであります。
そんな大事な彼に、いつまでも健康でいていただきたいと、半年ごとの定期点検は欠かしたことがありません。
その甲斐あってか、18万キロになろうかとする走行距離の現在でも至って健康であります。そして、点検に行ったときの営業さんやサービスの方との会話も私の楽しみの1つであります。
他のお客さんとのエピソードや、最近の傾向などを聞くのは面白いし、サービスさんとのメカ系の話では、年々進歩する各種技術により昔の常識がだんだん変わってきているのも確認できたりします。
先日、訪れたとき「新しいNSXはカッコイイですね」と話したら「でも、同じ2シーターで、ホンダにはアクティもありますから」と返ってきました。そうなんですよね、スポーツモデルや高級車、軽自動車やミニバンもあって、福祉車両や商用車もある。もっと広げれば、二輪車も作っているし、耕運機や発電機の汎用製品、ジェット機も作ってる。アシモもいるし、先日は自立する二輪車も発表されました。サーキットも持っているし、レースもやっていて二輪ではだいたい世界一を毎年争っている。すごいですよね、ホンダさん。他メーカーならその会社の主要事業がホンダなら一部門だったりします。
我が家の前を時々、ホンダの研究所から出てきたすごく大きくて真っ白で何も書いていないトラックが、静かに通過していきます。あの中には何が入っているんだろう。この町の大部分の人達はそんな世界的なホンダの偉業があの中に入っているかもしれないなんて思ってもみないんだろうけど。
担当営業の方が言う「おくるまの調子いかがですか」の“おくるま”の響きが好きです。二輪車も何か他に良い感じの呼び方ってないですかね。
「おバイク」は無いだろうし、いまどき「単車」も違うだろうし。アクセントがあまりつかない「バイク」がいいのですかね。若者の発音でいう「クラブ」のような。
「バイク、どうですか」「バイク、乗ってますか」。“バイク”のあとに少し間を空けて次を言うと、言ってるほうもバイク乗る人、もしくはバイク好きな人の感じが出るんじゃないかと個人的には思うのですが。
二輪車新聞記者 猪首俊幸