スーパーカブの登場した1958年(昭和33年)には、各分野で画期的な新商品がデビューしている。

まずは日本初の「プラモデル」である。スーパーカブとは1958年の同級生といえる。

当時、玩具メーカーのマルサン商店は模型の新規商品を模索していた。そこで目を付けたのが、アメリカで人気の高まってきたプラスチックモデルであった。マルサン商店はドイツ製の高精度の金属工作機械を輸入し、金型から起こして、日本製プラモデルの第1号となる「ノーチラス号」(1/300スケール)を完成させ、新発売した。翌年、マルサン商店がTVコマーシャルを開始したこともあって、プラモデル人気に火が付き、各社が競ってプラモデルの新製品を登場させて、市場を拡大していった。

なお、マルサン商店は「プラモデル」を登録商標としていた。そのため、「プラモデルと呼べるのは、マルサンだけ」というのが、マルサン商店のキャッチフレーズだった。しかし、マルサン商店がスロットカーキットの過剰投資などにより1968年に倒産してから、商標権は日本プラモデル工業協同組合に属している。

国内の模型業界ではプラモデル人気の高まりもあって、翌1959年には静岡模型教材協同組合の主催で「第1回生産者見本市」が開催された。同見本市は翌年から「静岡ホビーショー」と改称され、現在に至っている。

富士重工業の「スバル360」も1958年に発売された。スーパーカブと同級生である。スバルは「てんとう虫」の愛称で親しまれたモノコックボディの4人乗り乗用車。42万5000円という低価格もあってベストセラーとなった。1970年まで発売されていた。

日清食品の「チキンラーメン」も1958年に発売された。インスタントラーメンのパイオニアである。価格は35円だった。

なお、東京タワーも1958年に完成している。

二輪車新聞 元編集長 小川孝

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