BMWグループジャパン・モトラッドのリー・ニコルス・ディレクターは2019年を振りかえり、期待していた新型スーパースポーツ機種の入荷遅れで、チャレンジングな年であったとした。だが、新製品投入、ディーラーの活動、集中して試乗体験機会の提供など、販売につながる各種PR活動の効果で販売では前年並みを維持。20年は大型クルーザーモデルの発表を控え、期待を寄せる。一方、年販5000台レベルから一歩前進に向け、ディーラーの役割、能力の向上、拠点の拡大、ユーザーへの製品体験機会の提供などで、継続してきめ細かな取り組みの必要性を挙げる。
※2020年1月1日付け号「各社の実績と抱負」再掲載

19年の二輪車市場について同社では、伸びを示したが主に中型車の割合が高いと認識。同社の主力が大型車、さらにユーザーやディーラーからの期待が大きかった新型S1000RRの入荷が遅れ、計画通りであれば年間販売で約1000台近くを上積みできたと指摘。計画通りなら販売は6000台弱に達したと見られる。

入荷遅れの一方で、同社は販売につながる積極的な施策を多数展開し、年販で前年並みを維持。体験から販売までの施策を点ではなく、線でつなぎ販売成果を上げた。ユーザーへのブランド体験では、他社ユーザーも対象にBMWの楽しみの提供として、夕刻の隙間に楽しんでもらう「ナイトライダーミーティング」を同社旗艦ショールームで実施。製品の販売にとどまらず、ユーザーが1時間でも走行を楽しむ場所、動機づけが重要としている。

さらにBMWに興味あるユーザーへはディーラー店頭のほか、同社主催でオーナー感覚が味わえ、体感することで製品の違いを理解してもらうための「3カ月間モニターキャンペーン」と、試乗機会の提供も積極的に展開。G310シリーズなどの顧客には、車両購入を条件に大型二輪免許の取得費用支援の「ライセンスサポート」も実施するなど、販売につなぐ店頭への誘因を展開した。

他方、オフロードの楽しさを提供するため奈良県にエンデューロパークを開設。安全に専門家の教習が受けられるコースなども用意した。

20年では昨年EICMA(ミラノショー)で発表された大型クルーザーコンセプトモデルR18の日本での発表を予定。導入は未定としている。20年では新製品5機種の発売を予定。R18はBMWでは珍しく歴史を振り返ると同時に、最新の技術、新エンジンを搭載する新旧融合させた機種として、大きな期待を寄せている。

一方、同社では近い将来、年間販売6000台を視野に捉える。昨年の5000台弱から前進させるにはメーカーとしての新製品攻勢はもとより、販売網の強化が必須と考えている。ディーラーの役割としての専門性を各種トレーニングなどで高めたい考えだ。

同時に需要が見込める空白地域に販売拠点を拡大したいという。昨年2拠点ほどを開設し66店体制とし、今後徐々に10拠点程度で増強したいとしている。

楽しみや体験機会の提供では、各地のディーラー主催でナイトライダーミーティングを展開してもらいこれを支援。エンデューロパークを活用しオフロードの楽しみを訴求する。

昨年に継続して長期モニターでの体験のほか、新たにユーザーの時間活用や製品の体験に最低限必要な、1時間ほどのきめ細かい試乗体験機会の提供にも実施に向けて取り組む。加えて各種キャンペーンなども展開して、ディーラーの販売につなげたい考え。

L・ニコルス ディレクター

紙面掲載日:2020年1月1日

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