経済産業省は、産業標準化活動に優れた功績を有する個人、組織を称える「産業標準化事業表彰」の2020年度受賞者を決定。10月1日に東京都内のホテルで表彰式を開催した。二輪車関係からは、本田技研工業の中沢健氏(二輪事業本部ものづくりセンターコンポーネント開発部電装開発課チーフエンジニア)が経済産業大臣表彰を、ヤマハ発動機の高橋宏行氏(EM技術統括部EM戦略部開発企画グループ主査)が産業技術環境局長表彰を受賞した。

経産省では、日本の産業発展に資するため、世界で通用する国際標準化人材の育成、日本における産業標準および適合性評価活動の促進を図ることを目的に、同表彰を毎年10月の「産業標準化推進月間」に行っている。

この表彰制度の概要は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定や、国内規格(JIS)策定といった、標準化活動に優れた功績を有する人、組織を表彰するもので、▼内閣総理大臣表彰=ISOやIECといった国際的な標準化機関における要職を務めたことによる日本の地位向上や、日本発の国際標準の実現など、日本の国際標準化に極めて顕著な功績があった人への表彰▼経済産業大臣表彰=標準の策定や適合性評価活動(製品やサービスが標準に適合していることを評価する活動)など産業標準化に顕著な功績があった人、組織に対する表彰▼産業技術環境局長表彰=標準の策定や適合性評価活動に貢献し、今後とも継続的な活動が期待できる人に対する表彰──の3表彰で構成されている。

今回表彰を受けたのは▼内閣総理大臣表彰1名▼経済産業大臣表彰22名、3組織▼産業技術環境局長表彰30名、2組織──の合計53名、5組織で、このうち二輪車関係から2名が受賞した。

産業標準化事業表彰・経済産業大臣表彰を受賞した本田技研・中沢氏の受賞理由の主な功績は、17年10月からISOにおいて、自動車の国際標準の審議を行う技術委員会「TC22」に所属する、モーターサイクル・モペッド領域を扱うサブコミッティ「SC38」の国際議長として3年間にわたり活動。自動車の国際標準を制定する際、二輪車を適用範囲(スコープ)に加える際のプロセスを17年10月にTC22総会で決議し、今後増加が見込まれる先端技術を、最適な形で二輪車へ取り込むことが可能となった。

また、自らSC38のWG8(二輪車機能安全ワーキンググループ)コンビーナ(主査)として、二輪車の機能安全に特化したISO23232:2018PART12を18年に発行した。

産業技術標準化事業表彰・産業技術環境局長表彰「産業標準化貢献者表彰」受賞のヤマハ発動機・高橋氏は、受賞理由の主な功績として、ISO/TC22/SC38/WG2(電動二輪車)において、日本提案の電動二輪充電時安全要件規格ISO18246(15年発行、現在改訂作業中)のプロジェクトリーダーとして審議をリードし日本の主導的立場を確立、制定に結びつけた。

また、充電器/コネクタ側の規格IEC61851−25/IEC62196−6(ともに作成中)をIEC/TC69(電動車用電力/エネルギー伝達システム)に新規提案し、プロジェクトリーダーとして日本主導に貢献するとともに、ISOおよびIEC間のリエゾンオフィサーとして両者の連携を通じて電動二輪車の充電安全確保を確立した。

なお、両氏の今回の表彰にあたっては、ともに自動車技術会から推薦を受けている。

画像: 経済産業大臣表彰を受賞した本田技研の中沢氏

経済産業大臣表彰を受賞した本田技研の中沢氏

画像: 産業技術環境局長表彰を受賞したヤマハ発動機の高橋氏

産業技術環境局長表彰を受賞したヤマハ発動機の高橋氏

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