KTMグループの車両3ブランドを扱うKTMジャパンは2020年8月、ジェネラルマネージャーが交代した。20年はコロナ禍により計画通りの活動ができない状況であったという。緊急事態宣言の解除後に十分な感染防止対策を講じ、その上で各地のイベント参加や店頭で試乗機会の提供、各種購入キャンペーンやSNSなどで情報を発信。各正規販売店の努力でKTMとハスクバーナMの販売は成長。21年は販売の源泉である「体験の提供」に注力する。20年を上回る規模で各地のイベントや店頭などで、地に足を付けた地道な試乗機会を提供するもよう。販売網では顧客に同一サービスを提供するため、CI導入を進めたい考え。

20年8月、それまでジェネラルマネージャーであったグレゴリー・エドワーズ氏に代わり、販売やマーケティング、ディーラー開発部門を管轄していた西光寿氏が着任。20年について、コロナ感染拡大、外出自粛などで大規模な各モーターサイクルショーやユーザー向けイベントが中止される一方、「密」を避ける移動手段で原付二種など二輪車が注目されたとする。

製品の入荷では本社工場が約2カ月間操業を停止し、両ブランドで一部の遅れやオフロード車の輸入台数減少があったものの、ストリート車はほぼ予定台数を確保したという。コロナ防止策を講じ新型「890デュークR」発表と全機種を揃えたローンチを2カ月遅れの6月に屋外で実施。

各媒体に取り上げてもらい、SNSなどで積極的に訴求。合わせて4半期ごとに各種の購入促進キャンペーンを展開。キャンペーンでは販売店向けに「セールスマニュアル」も作成、提案方法や販売ステップなどで接遇の向上につなげた。

さらに体験試乗機会は、製品特性から重要な活動のため、十分な感染防止策を講じて各地のイベントへ参加。試乗者の情報を販売店と共有し、販売店が試乗した顧客へフォローするなど地道に活動した。各販売店店頭でも十分な感染防止対策を講じた上で試乗会などを実施したとする。

こうした活動で日本自動車輸入組合がまとめた20年11月までの販売台数は、輸入小型二輪車だけでKTMは前年比7・4%増加、ハスクバーナMでは36・7%も増加。両ブランド合わせたグループでは2100台以上、さらに原付二種や競技用車両を合わせた販売台数では4000台近くに達すると強調する。

「体験機会」の提供に注力

21年の市場は経済活動も徐々に回復し、原付二種以上は前年を超えるとみている。こうした中で同社は「体験機会」の提供に注力する。二輪車販売の源泉は体験にあることを挙げている。同時に販売網の強化、アドベンチャー系をはじめとする大型モデルの販売拡大に力を注ぐ考えだ。

試乗体験機会の提供では、コロナ対策を徹底して、販売の原点と捉えて活動する考え。ITやSNS、PR映像も重要視するが、それだけで販売につながるものではないと指摘。昨今ではデジタルやSNSなどでのPRが蔓延、過剰傾向にあるとし、デジタルと紙媒体などの各特徴を活かして使い分けも必要とする。

販売網については、現在KTM51店、ハスクバーナM26店、昨年正規販売網の構築を開始したガスガスM9店、WPサスペンション11店。20年では新CI導入の大型店、KTM香川を開設。今後CI導入と正規販売網の拡充を進めたい考え。

ユーザーにブランドを通じたコトの体験ではコトを楽しむ店舗環境、さらにすべての顧客に平等に全国同一の演出やサービス提供をすることは重要と強調。

アフターサービスでは販売店向けに技術分野のマニュアル提供や、実施可能な方法でテクニカルトレーニングを行う。また、ユーザーや販売店からの問い合せ窓口を一元化し、本社も含め適切な部門で対応、迅速な対応を実現するという。

西光寿ジェネラルマネージャー 

2021年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2020年実績と21年抱負」掲載

This article is a sponsored article by
''.