2020年末、イタリアのランブレッタ、ファンティック、台湾SYMの二輪車3ブランドなどの輸入販売元であったサイン・ハウスの野口英康社長が同社を独立。21年1月より3ブランドなどの輸入販売元として新会社「モータリスト合同会社」を始動。

20年はランブレッタとファンティックの販売店を積極的に拡大、店頭や各地で開催のイベントなどに参加し、試乗機会を精力的に提供。地道な活動はユーザーへの知名度を高め、販売も加速しているとした。21年は年頭より新会社が始動し、活動などの自由度が増す。これにより訴求活動も活発化し、販売でも一層の加速に期待が高まりそうだ。

モータリストの代表には野口氏が就いた。20、21年の販売店環境や各ブランドの活動について取材に応じた。

20年は3ブランドの販売開始から数年のため、販売は伸びる一方だったとしている。市場はコロナ禍でも前年を超えた販売メーカーの殆どが、ブランド力があるところだと指摘。多くのユーザーは家計に不安があるときには購入せず、買ったとしてもブランド力のある製品に限ると述べる。

二輪車市場は原付二種や軽二輪で前年を若干超えるが、全体では減少か前年並みにとどまるとみている。輸入車は一部を除き有力ブランドでさえ厳しい状況と指摘する。

こうした中、同社の販売は3ブランドともに取扱いよりまだ数年にすぎず、ほぼゼロからのスタートのため伸びていると強調。取扱店も主に地方を中心に、都心の販売店の取り扱いが予想以上に拡大したとする。

ランブレッタの販売は徐々に軌道に乗り、同時に知名度も高まったという。特にファッション性が強い製品のため、従来からの販売店以上に店舗の特性も拡販を左右するため、時間はかかると考えていたが、3年目にして実を結びつつあると明かす。

一方、ファンティックは20年が本格的活動のスタートの年。積極的に各地の小規模なイベントなどに参加し、展示と試乗機会を提供したという。さらに店頭でも積極的な販売店の展示や試乗会の実施で、特にキャバレロシリーズについては予想を超える知名度の高まりだったと強調。取扱店も加速的に拡大を見せているとしている。

他方、台湾SYMは品質や商品力に魅力があり50ccクラスの製品の流通台数が少ないことから、取扱店が徐々に増えたという。

20年のコロナ拡大による製品の入荷への影響については、適切な需要の読みや強固な海外本国との連携が奏功し、各ブランドとも部品、車両の供給には問題がなかったとする。

モータリストの活動初年度となる21年について、スタッフはこれまでの顔ぶれが基本的にそのまま移籍するもよう。新会社について野口代表は「独立して会社を設立したことで資金面、各分野での活動でも自由度が増した」などと、これまで以上に積極的な攻めの姿勢を示している。

3ブランドの輸入販売は各メーカーが野口代表の実績を信頼し、また豊かなコミュニケーションによって培われてきた。従って新会社でも正規輸入元としての契約を継続させ、製品や部品の供給はこれまで通り、取扱店に供給できる体制としている。

取組みではユーザーへの訴求活動、知名度や製品の理解も拡大し、販売も一層加速しそうだ。特にイベントでは試乗体験の提供を中心に全国的に活発に展開。店頭でも積極的に販売店で試乗会の実施を推奨するもよう。ウェブサイトも開設するとみられ、新たな販売方法にも期待が寄せられる。

オフィスはモータリスト・ファクトリーとして、昨年末に東京都大田区仲六郷2−41−8に開設した。

野口英康代表

2021年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2020年実績と21年抱負」掲載

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