教習所は初の緊急事態宣言を解除した2020年6月以降、二輪免許取得のための教習所入校で予約待ちが続き、バイク販売では中古と新車市場も活況を呈している。250ccクラスだけではなく、一部の大型人気バイクでは在庫切れになるほど動きが良い。

バイクがソーシャルディスタンスに適していることも理由のひとつか。

そんな二輪車市場の好景気より少し前に、バイクを使ったキャンプ、とりわけ単独で行く「ひとりキャンプ」への関心が高まっていた。ゲームなどバーチャルな世界観に毒されてはいられない!という反動か、そのアイテムとしてバイクが選択肢に入ってきた。この流れはしばらく続く。

バイクを買って所有欲を満たす従来からの行為は続くが、バイクの所有より、乗ること自体に価値を見出すレンタルバイクは、よりユーザーニーズを喚起するシステムへと進化を遂げていく。

その変形発展型として、レンタルバイクだけでなく、特定のバイクを複数のユーザーがシェアする手法も十分に可能性がある。現在のクルマのカーシェアリングのシステムとその変形型。しかもこれはそこにとどまらない。

例えば旧車と呼ばれるバイクもその対象。憧れのCB750フォアやカワサキZ1などレトロ車両に対する新しい価値創出だ。価値ある旧車をシェアリングすることはかなり現実的ではないが、限定的な展開なら不可能ではない。

軽く、パワフルで、もっと速く走れるバイク技術の進化は止まらないが、一方で味わいをアピールするレトロスタイルやエンジンの鼓動感最優先の単気筒や2気筒バイクのニーズがますます高まるだろう。

クルマが進化するほど見直されるバイク

その理由はクルマにある。エンジンから電気モーター主体の乗り物へ、しかも自動運転化を主軸にしたクルマは、単純に移動の足あるいは動く空間として発展し続けている。その真逆の存在として、操る楽しさをより求めたバイクが一定数ではあるが強く見直されるという仮説。

とりわけバイクは運転スキルや装備など、乗る前に必要な要件が多い上に、走行中も常に脳を働かせ、最善の場所とタイミングを選びながら楽しさを見つけ出す。実に面倒臭いけれど操る楽しさのために移動自体が目的化される。

そんなバイク本来の魅力は旧型も新型も関係ない。クルマは乗せてもらっての移動だが、バイクは人が主役。バイクが操る楽しさを持つ限り、どんな立ち位置でもその輝きは続く。

プロフィール

柏秀樹(かしわ・ひでき) 
1954年山口県生まれ。大学院生時に作家の片岡義男と、バイクサウンドをテーマにしたLPを製作。卒業後フリーランスのモータージャーナリストに。各種海外ラリー参戦も含めた経験を活かし、現在「KRS・柏秀樹ライディングスクール」を運営。全国各地で初心者やリターンライダー、二輪車販売店社長・社員の意識・運転技術改善に役立つノウハウ伝授や情報交換をしている。ベストセラーになったライディングDVD他著書多数。

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