2011年、米ポラリスインダストリーズによる買収でインディアン・モーターサイクル(インディアンMC)が復活を遂げてから10年。日本法人であるポラリスジャパンにとって21年は歯がゆい年となったようだ。

「3密を避けるアクティビティとして、ご存じの通りモーターサイクルの需要は爆発的とさえ言える伸び。ただ、製品が届かない。半導体不足で生産が進まず、さらに物流が滞っている。物流は特に深刻。米国からの直行便もなければ、仕方なく経由地の多いコンテナを手配すれば今度は物流コストが跳ね上がる。結果、ディーラー様とお客様に製品が届くのが遅れてしまう」

そう吐露するのは21年2月より同社カントリーディレクター/ジェネラルマネージャーを務める戸田勝久氏。以前は主に業務用の四輪車を取り扱ってきた人物だ。「21年は目標販売台数にはやや届かないものの、前年比150%前後で着地する見通し」としつつ、現在の取り組みを語った。

▼認知度向上
物流がスムーズになったときに備え、デジタルマーケティングに力を入れている。

▼販売網の拡充
20年の19店舗から21年は20店舗に増加。従来の二輪販売店のみならず、他業種からの進出も見られる。今後も25店舗、30店舗と増やしていく。

▼ディーラー教育
オペレーション改善(販売効率)およびサービスに関して技術的なトレーニングを実施している。あわせて現場の声を吸い上げることも進めている。

▼イベント開催
21年8月にバイカーズパラダイス南箱根で試乗会を開催。また、オーナー向け施策として9月20日には「インディアンMCミーティング北海道in十勝スピードウェイ」を行い、ミーティングとサーキットランを満喫できるものにした。11月13日にも香川県金毘羅山でオーナーズミーティングを開催した。

画像: 21年9月20日に北海道で開催されたインディアンMCミーティング

21年9月20日に北海道で開催されたインディアンMCミーティング

22年からはIMR(インディアンモーターサイクルライダーズ)というオーナー向けメンバーシップの仕組みも導入。インディアンライダーの交流を図り、インディアンブランドへのロイヤリティーを醸成していく。

製品としてけん引役となったのは、21年から導入された新型「チーフ」。これは入門モデルで177万8000円から購入できる「スカウト」と、300万円以上となるバガーやクルーザーモデルとの間を埋めるモデルとして、多くの支持を集めた。

画像: 2021年にモデルチェンジしたチーフ

2021年にモデルチェンジしたチーフ

「インディアンMCのオーナー層といえばコアはやはり40代~50代となってくるが、近年は20代のオーナーも見られるようになった。大阪で開催したイベントには『普通自動二輪免許を取ったばかり。これから大型二輪免許を取得する』という若者がいらして、『大型免許が取れたらすぐインディアンMCを買う』と話してくれた」

実際に大型二輪免許を取得したばかりのライダーやリターンライダーはインディアンMC全購入者の1/3を占めるという。「やはり製品には魅力があるので、認知度さえ上がれば」と、戸田氏は手ごたえを感じている様子だ。

22年モデルも各種取りそろえる中、ダートトラックイメ―ジのFTRに17インチロードタイヤを履かせたモデルは車格としても日本人になじみやすく「ご好評をいただいており、今後が楽しみな製品のひとつ」だと笑顔を見せる。

2022年1月1日発行・二輪車新聞新年特別号「輸入車/2021年実績と22年抱負」掲載

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