日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)は昨年末に、2021年度の「MFJモーターサイクルスポーツ殿堂」の受賞者を発表。同賞は日本のモーターサイクルスポーツの歴史を後世に伝え、輝かしい実績のあった選手や関係者を顕彰することを目的に18年に設立。選出者を顕彰するほか、過去の競技結果や映像等を収集した専用ホームページも開設する。
第一回は高橋国光氏や伊藤光夫氏、第二回は本田宗一郎氏と吉村秀雄氏が選出されている。
今回はモトクロス部門の黎明期を対象にライダー部門において、同競技の発展に多大な貢献をしたとして久保和夫氏、鈴木忠男氏、山本隆氏、吉村太一氏の4名が選ばれ殿堂入りした。
久保和夫氏はスズキファクトリライダーとして、64年の第一回モトクロス日本GPで125/250ccクラスのダブルタイトルを獲得。翌年には日本人として初めてモトクロス世界選手権に出場した経歴を持つ。その後、チューナーとしても活動の場を広げ「チームSRSクボ」を率いて、多くのライダーを育成するなど競技の普及振興に寄与した。
鈴木忠男氏はヤマハのファクトリーライダーとして、69年に全日本モトクロス選手権250ccクラスでチャンピオンを獲得。その後「SP忠男レーシング」を設立。多くのロードレースライダーを育成し、世界トップレベルの選手を数多く輩出するなど、競技の普及振興に寄与した。
山本隆氏はカワサキファクトリーライダーとして、67年に全日本モトクロス選手権90/250cc、68年には250ccクラス、69年には再び90ccクラスで合計4度のチャンピオンを獲得した。その後は、トライアル競技に転向し、引退後はMFJトライアル委員長を務め、競技の普及振興に寄与した。
吉村太一氏はスズキファクトリーライダーとして、67年に全日本モトクロス選手権125ccクラスでチャンピオンを獲得。70年には125/250ccのダブルタイトルを獲得した。その後はホンダファクトリーライダーとして活躍。「マウンテンライダース」を率いて、多くの若手ライダーを育成し、全日本チャンピオンを数多く輩出。二輪用品ブランドの『アールエスタイチ』を設立し、多くのライダーをサポートしてレース活動を支援するなど、競技の普及振興に寄与した。