これをバイクショップ経営に置き換えると、スタッフを褒めたり、アドバイスをしたりすることもあるでしょうが、イマドキは厳しく叱責するとパワハラなどと言われるからやりにくいものです。
もちろん、スタッフはロボットではありませんが、自分の手足のように動いてくれることも大事です。まずは、気持ちを素直にスタッフへ伝えることが最初にないと、一方通行になりやすいものです。
その上で、アドバイスすべきことがあればちゃんとアドバイスする。現場で上手くできていない場合は頭ごなしに「なにやっているんだ!」という怒りは一度クールダウンさせてから、ゆっくり言葉のキャッチボールをする。ミスを怒るのではなく、ミスをどうやったら防げるかという論点に切り替えて、スタッフ側から出る言葉を大事にする。能動的な発言ができるスタッフには、可能性があると思うからです。
しかし、近年は心のキャッチボールをしようにも、表情を顔に出さないタイプが増えているように感じます。
大袈裟になりますが経済復興を願って、総理の手腕に大いに期待したい今の日本。まずはどんな時も、笑顔を貫き抜き通しているところは実に素晴らしいと思います。厳しい判断に迫られても、暗い表情にしないのは自分を鼓舞すること、そして冷静に判断するための「間」を取ることに役立っているのではないでしょうか。
バイクショップも同じです。表情が見えるバイクショップでありたいものです。もちろん落ち込んだ顔や無表情な顔は、誰もが見たくないのです。
スタッフの心が通いあえる環境作りを
バイクを巧みに売るスタッフも良いですが、自然に笑顔がこぼれるスタッフなら、奨励金を出してもいいんじゃないかと思うぐらい、笑顔が作る「お店の雰囲気は大事」だと思うのです。まずは何があってもニコリ。
別の視点でもうひとつ。私はその昔、ドイツ経営経済学も熱く勉強していました。ドイツは昔から、従業員持ち株制度を導入しています。その結果、従業員は現場の製造や販売だけでなく、経営改革についても見識を持つようになり、会社がひとつにまとまる効果をもたらしています。スタッフのモチベーションアップに貢献するシステムです。
株主制度でなくても、定期的にショップの改善点を出し合う。トライしてすぐに結果が出なくても、アクションし続けること。この姿勢はお客様に必ず伝わります。
風通しの良い社風が何よりも大事だと思います。展示方法やトイレなど店内とお店の外観、そして接客や修理など、スタッフの心が通いあえる環境作りが店長やショップオーナーに課せられた任務だと思います。スタッフのやる気スイッチは、社長や店長のやる気スイッチ次第ではないでしょうか。
プロフィール
柏 秀樹(かしわ・ひでき)
1954年山口県生まれ。大学院生時に作家の片岡義男と、バイクサウンドをテーマにしたLPを製作。卒業後フリーランスのモータージャーナリストに。各種海外ラリー参戦も含めた経験を活かし、現在「KRS・柏秀樹ライディングスクール」を運営。全国各地で初心者やリターンライダー、二輪車販売店社長・社員に、安全意識・運転技術改善に役立つノウハウ伝授をしている。ベストセラーになったライディングDVD他著書多数。