東京都港区青山にある本田技研工業本社1階のショールーム「ホンダウエルカムプラザ青山」で、スーパーカブとその派生車種のイベント「第20回カフェカブミーティングin青山」が、10月22、23日に開催された。開催20回目という節目に当たる今回のイベント。二輪車での来場者は、合計846台にのぼった。

同イベントの目玉となっているのが、エントリーされたカブの人気投票「カフェカブコンテスト」。エントリーされたカブは、2日間合わせて480台。ホンダウエルカムプラザ青山の前には、オーナーのこだわりが随所にみられるカブがずらりと並び、その周りで来場者が〝カブ談義〟に花を咲かせていた。

屋内ステージでは、カフェカブコンテストの表彰式以外にも企画が盛りだくさん。スーパーカブは、来年に累計生産台数1億台を見込んでいるが、達成記念品がいち早く来場者に贈られた。記念品の提案者で、かつてカブシリーズの開発を担当していた本田技研工業広報部の金塚征志氏は「1億台という数字は誰が欠けても成立しない。その感謝の気持ちをこめた」とステージ上で話していた。

「カブとともに」をテーマに実施された「バイクフォーラム」では、過去にカブのムック本なども手がけたノンフィクション作家の中部博さん、関東から四国へカブで朗読会に出かけたことのある女優の下舘あいさん、高校以来再びカブに乗り始めたという全日本トライアル選手権レディスクラスの小玉絵里加選手といった、カブにゆかりのある3人が登壇した。中部さんは「カブは分け隔てがなく、誰が乗っても良いし、どこにでも乗っていける」、下舘さんは「ちょっとそこまでの外出にもぴったり」、小玉選手は「重心からすべてバランスが整っているバイク」と、それぞれカブの好きなところを述べた。

その後、ステージでは2本の未公開映像を上映。1本目は、スーパーカブの初代デザイナーの故・木村讓三郎氏らのインタビュー映像。2本目は、ベトナムを舞台にスーパーカブが描かれたもの。後者は近日中に公開される予定で、それに先立っての初お披露目となった。

カフェカブコンテストの表彰式では、来場者の人気投票による1~6位のほか、ゲストによる賞や協賛社による賞、特別賞など合計23種類の賞が発表された。なお、今回新しく加わった「初参加最年少賞」では、17歳の参加者が受賞。同賞は、若い世代にカブの輪をつないでいきたいという趣旨で設定された。

表彰式の後はじゃんけん大会が行われ、盛況のうちにステージイベントは締めくくられた。

同イベントが初めて開催されたのは、1997年。当時は有志による開催で、参加台数32台の小規模なものだったという。

「今みたいにたくさんの人が来るイベントは想定していなかったが、継続していくうちにどんどん増えていった」と話すのは、本田技研工業広報部の高山正之氏。

本社のある青山で開催し続ける上では、リスク管理など困難なこともあるが、その一方で、街なかでの開催ということで、足を止めて関心を向ける通行人も多いという。

「面白いなとカブのファンになる人もいるし、イベントを見に来たことで、カブが欲しくなる人もいる」と高山氏。続けて、「ユーザーが気軽に本社に集まりたいという要望がある限り、続けていきたい」と話していた。

画像: 全国からホンダ青山本社に集まった、様々なカブ達

全国からホンダ青山本社に集まった、様々なカブ達

画像: バイクフォーラム「カブとともに」。左より中部博さん、下館あいさん、小玉絵里加選手

バイクフォーラム「カブとともに」。左より中部博さん、下館あいさん、小玉絵里加選手

画像: 木村讓三郎氏らのインタビュー映像も公開

木村讓三郎氏らのインタビュー映像も公開

紙面掲載日:2016年11月11日

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