死者数が前年を下回ったのは、16年から5年連続。そして3000人を下回るのは、統計を開始した1948年(昭和23年)以降では初となる。
65歳以上の高齢者の死者数は1596人(前年比186人=10・4%減)と、16年から5年連続の前年比減で、10年前(2010年/2489人)に比べ893人=35・9%の減少となったものの、構成率では56・2%と前年比0・8㌽増、2010年比では同5・9㌽も多い。
20年中の交通事故死者数を月別でみる(カッコ内は前年同月比)と▽1月262人(3人=1・1%減)▽2月247人(37人=17・6%増)▽3月239人(22人=8・4%減)▽4月213人(53人=19・9%減)▽5月194人(16人=7・6%減)▽6月202人(4人=1・9%減)▽7月191人(38人=16・6%減)▽8月197人(81人=29・1%減)▽9月243人(50人=17・1%減)▽10月273人(40人=12・8%減)▽11月280人(48人=14・6%減)▽12月298人(58人=16・3%減)──と、2月以外はいずれの月も前年同月を下回った。最多月は12月、最少月は7月だった。
最多は東京都156人、最少は鳥取県17人
都道府県別交通事故死者数を多い順でみる(カッコ内は前年の順位と死者数)と①東京155人(⑤133人)②愛知154人(②156人)③北海道144人(③152人)④神奈川140人(⑥132人)⑤千葉128人(①172人)⑥大阪124人(⑦130人)⑦埼玉121人(⑧129人)⑧兵庫110人(④138人)⑨静岡108人(⑩101人)⑩福岡91人(⑪98人)──と、東京が前年の133人から22人増えて最多となった。
一方、少ない順では(カッコ内は前年の順位と死者数)①鳥取17人(③31人)②和歌山18人(⑦33人)②島根18人(①25人)④徳島20人(⑰41人)⑤山梨21人(①25人)⑥沖縄22人(⑬36人)⑦奈良25人(⑩34人)⑧富山26人(⑩34人)⑨青森28人(⑭37人)⑩山形30人(⑥32人)──と、鳥取が3位だった前年からほぼ半減して最少となった。
国家公安委員会・小此木八郎委員長のコメント
「昨年の交通事故による死者数は2839人で、前年比376人、11・7%減少し、4年連続で戦後最少を更新して初めて3000人を下回りました。これは、政府をはじめ、関係機関・団体や国民一人ひとりが交通事故の防止に向け、積極的に取り組んできた結果だと考えております。
しかしながら、今なお多くの尊い命が交通事故で失われていることには変わりなく、また、第10次交通安全基本計画において掲げた、令和2年までに24時間死者数を2500人以下とする目標については、残念ながら達成できませんでした。
交通事故のない安全で快適な交通社会を実現することは、国民すべての願いであり、政府の重要課題であります。
本年は、第11次交通安全基本計画がスタートする年であります。国家公安委員会としては、新たな計画に基づき、各界各層と連携しながら、交通安全施設等の整備や効果的な交通規制の推進、交通安全教育、悪質・危険な交通違反の指導取締り等の諸対策を総合的かつ強力推進するよう、警察を指導してまいりたいと考えております。
交通事故を防ぐために、自動車の運転、歩行者がそれぞれの相手の立場に配慮し、思いやりの気持ちをもって行動するようお願いします」