国土交通省は、2023年1月から電子化した自動車検査証(車検証)を導入する。継続検査や変更登録は行政書士や指定整備事業者などが電子車検証の記録内容を書き替えできる記録等事務委託制度も導入し、運輸支局・自動車検査登録事務所に行かずにオンライン申請が可能になる。二輪車は小型二輪車(排気量250cc超)が対象で、四輪の軽自動車は1年後の24年1月から導入する予定だ。
画像: ICカード化される自動車検査証

ICカード化される自動車検査証

有効期間はICタグに記録

電子車検証は、現行のA4(縦210mm、横297mm)のサイズから7インチ(縦150mm、横177.8mm)へとコンパクトになる。台紙(紙厚150μm=0.15mm)の券面にはICタグ(通信規格:ISO/IEC14443 TypeA)が付けられ、現行の車検証情報はすべて記録される。

電子車検証の券面に記載するのは、「使用者の氏名又は名称、自動車登録番号又は車両番号、車名・型式、自動車の種別、長さ・幅・高さ、燃料の種類、総排気量又は定格出力、備考欄情報の一部、交付年月日」などのほか、車両ごとに不変の車両識別符号(車両ID)が新たに追加されることになった。

券面に記載せずにICタグに記録するのは、自動車検査証の有効期間、所有者の氏名、所有者の住所、使用者の住所、使用の本拠の位置、備考欄情報の一部など。

ICタグに記録された車検証情報やリコール情報は「車検証閲覧アプリ」をインストールしてスマートフォンやパソコンで確認することやPDFなどで出力することも可能となる。また、車検証有効期間更新時期を知らせるサービスも開始する。

前面ガラスやナンバープレートに貼付する車検証有効期間の満了年月を表示した「検査標章」は、委託を受けた指定整備事業者などが印刷する。

記録等事務委託制度とは、継続検査などで車検証への記録や券面変更を伴わない変更登録、移転登録の記録などに関する事務を国土交通大臣が一定の要件を備える者に委託する制度。一定の要件を備える者とは、行政書士、行政書士法人、指定整備事業者など。

具体的には、特定記録等事務(継続検査)を委託できるのは行政書士、行政書士法人、指定整備事業者のほか、(一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)日本自動車整備振興会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会も対象となる。特定変更記録等事務(券面変更を伴わない変更登録、移転登録)を委託できるのは行政書士、行政書士法人のみが対象。

新車など新規登録時の電子車検証は、従来通り運輸支局・自動車検査登録事務所で交付される。

なお、車検証電子化のための法改正で「道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令」が5月20日に公布された。「記録等事務の委託申請受付開始」部分は5月23日に施行され、「自動車検査証の電子化及び記録等事務委託制度関係」部分は23年1月1日に施行される。

画像: ICタグの記録等事務委託のイメージ

ICタグの記録等事務委託のイメージ

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