教習指導員133人一堂に 指導技術力競う
情報交換・交流の場にも
同競技大会は、全国の自動車教習指導員の自己研さんへの動機付けを図るとともに、他の教習所指導員との情報交換や交流の場を提供することを目的に、2001年から毎年行われているもので、今年で18回目を迎えた。今回も後援に全日本指定自動車教習所協会連合会(全指連/田中節夫会長)と本田技研工業法人営業部、協賛にモビリティランド(山下晋社長)、レインボーモータースクール(佐竹正規社長)、ホンダモーターサイクルジャパン(加藤千明社長)が名を連ねた。
今回は、選手として133人の教習指導員、審判として24人の教習指導員が、30都道府県・84校から一堂に集った。
競技に先立ち行われた開会式では、主催者を代表して竹内本部長があいさつし、「日頃の成果を十分に発揮してほしい」と激励(詳細は3面)。続いて来賓を代表して、全指連の横山雅之専務理事があいさつした。
競技は2日間にわたり開催。初日は悪天候、2日目は打って変わって快晴の下で行われた。
競技は「普通二輪」「大型二輪」「四輪」の3部門に分かれ、▼運転技術の正確さやタイムを競う4種目の「実技競技」(二輪はブレーキング、パイロンスラローム、コーススラローム、一本橋/四輪はフィギア、ブレーキング回避、縦列駐車と車庫入れ、コーススラローム)▼「実技指導力」(安全運転知識や指導者としての気配り、思いやりなどについての記述やディスカッション)――について行われた。競技車両は普通二輪部門がCB400スーパーフォア、大型二輪部門はNC750L、四輪部門はグレイス(MT車)が用意された。
二輪部門の「ブレーキング」では、時速60kmからの全制動で、いかに短く安全に止まれるかを競う。「パイロンスラローム」は、連続するパイロンと、マーカー間の走行を競うもので、パイロンへ接触やステップ接地をせず正確でスムーズな走行が問われる。S字やクランクなどの複合的スラロームコースを走る「コーススラローム」は、教習指導員に求められる運転総合技術を競う。この3種目はいずれも走行時間の短さも競われるわけだが、4種目目の「一本橋」は、幅30cm×長さ15m×高さ5cmの一本橋を、90秒以上を目標に走行時間の長さを競う。
採点は各種目1000点満点からの減点方式。4種目とも減点0なら4000点満点ということになる。全国各地の自動車教習所を代表して出場した教習指導員たちだが、大会の独特な雰囲気がプレッシャーとなって重くのしかかり、審判員のチェックも厳しい。こうした中、選手たちは気合いを入れて次々とコースインしていく。3部門とも各種目で1000点満点が出るほどの高レベルな競技が展開された。
特に一本橋では、普通二輪部門9選手、大型二輪部門2選手が1000点満点の同点となったことから、より距離を短くしたコース設定でこの11選手による順位決定戦が開催。活気あふれる声援が飛び交う中で、高レベルな競技が展開。その結果、普通二輪部門では辻尚起選手、大型二輪部門では長津慶吾選手と、両部門で大徳自動車教習所(石川県)の選手がこの競技を制した。
なお、実技競技全日程終了後に、室内で行われた「実技指導力」では、教習指導の様子の映像を見た後、「気付いたこと」や「自分ならこうする」といった点の記述や、参加選手同士による活発なディスカッションが行われた。
2日間にわたる競技の結果、普通二輪、大型二輪、四輪の各部門における各競技部門上位と総合部門上位が決定。平井真大会審判長(モビリティランド・鈴鹿サーキット交通教育センター所長)から成績が発表された。
総合優勝は、普通二輪部門では関村修平選手(マジオドライバーズスクール多摩校/東京都)が、大型二輪部門では河端淳史選手(月の輪自動車教習所/滋賀)が、四輪部門では落合誠選手(ドリームモータースクール昭和/長野)が獲得。上位入賞選手に中嶋英彦大会運営委員長(本田技研工業安全運転普及本部事務局長)からクリスタル製のトロフィーが、そして各部門の優勝と準優勝の選手には、全指連の吹浦秀俊教習教育部長から全指連会長賞の盾が手渡された。
締めくくりに中嶋運営委員長が閉会のあいさつを行い、「ここでの経験を持ち帰り、さらなる安全教育向上を目指すきっかけにしてほしい」とねぎらいのことばを述べた。
紙面掲載日:2018年6月29日