無関心層にも訴求
〝バイク発祥の地〟としても知られる浜松市。旧・天竜市(現・浜松市天竜区)出身の本田宗一郎氏が終戦後間もない1946年、自転車にエンジンを取り付けて販売、48年には同氏により本田技研工業が設立された。以降、54年に鈴木自動車工業(現・スズキ)、55年にはヤマハ発動機が相次ぎ設立。川崎重工業を含めた国内4大二輪車メーカーのうち3社の原点が浜松市にある。
そこで、世界に誇る二輪車メーカーのある日本の中でも特にバイクの原点であるこの浜松市から、バイク産業の情報や文化、魅力を交通安全を含め全国、世界に発信することにより、バイク愛好家の集う「まち」を育てるとともに、地域の産業機関とモノづくりを担う次世代の人材を育成していこうと、同イベントの第1回が2003年に行われ、今年で17回目。
主催は浜松市で、実施主体は同イベントの実行委員会(事務局=浜松市産業部産業振興課)で、協賛にはホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)、ヤマハ発動機販売(YMSJ)、スズキ二輪、後援に経済産業省、静岡県、浜松商工会議所、浜松地域イノベーション推進機構、浜松・浜名湖ツーリズムビューロー、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社が、協力に日本二輪車普及安全協会(日本二普協)、本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ、静岡県指定自動車教習所協会、浜松ホトニクス、愛知陸運浜松営業所、自動車総連静岡地協、日本自動車連盟静岡支部、静岡県自動車整備振興会が名を連ねた。
屋内展示会場は3つに分かれて展開。第1展示場では▽ホンダ、ヤマハ、スズキの各銘柄の最新モデルタッチ&トライコーナー、世界最速を競うMoToGP参戦マシン、最新技術を駆使したバイクの展示、バイク用品コーナー、地元浜松で二輪車部品などを製造する企業による「ものづくり企業コーナー」、地元浜松にある国内外二輪車取扱販売店コーナーなど多彩な展示に。
第2、3展示場では、バイクトレンド用品コーナー、鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦マシン展示、バイク組立体験コーナー、オーナー自慢の名車たち展示、親子で楽しむものづくり体験・展示、木工モーターバイク製作コーナー、バイクデザイン開発スケッチギャラリー、地元の大学や専門学校、工業高校によるものづくり学校PRコーナー、バイクラジコンコーナー、各団体PRコーナーなどが展開された。
屋内ステージイベントでは、バイクと深く関わりを持つ女性タレント(梅本まどかさん、難波裕香さん、大関さおりさん、国友愛佳さん、モリメグさん)による「バイク女子トークショー」や、静岡県警察音楽隊によるコンサート&交通安全啓発、KAZU中西氏によるセーフティライド講座などが行われた。
屋外では、「~ポンポン発祥の地・浜松~オーナー自慢の名車たち」で展示されたバイクの走行デモンストレーションや、交通教育センターレインボー浜名湖のインストラクターによる模範走行デモンストレーションンなどが開催。また、猛暑の中の開催ということもあり、バイク女子メンバーと来場者による打ち水も行われるなど、ゲストと来場者が一体となった企画も投入された。
セレモニー盛大に
開幕に先立って開催されたオープニングセレモニーには、主催者を代表して浜松市の鈴木伸幸副市長が、実施主体の同イベント実行委員会からは佐藤一郎委員長が、来賓として浜松市議会の鳥井徳孝副議長、スズキの鈴木俊宏社長、HMJ渉外部の小筆介児氏、YMSJの石井謙司社長が出席。浜松市のマスコットキャラクター「出世大名家康くん」「出世法師直虎ちゃん」に加え、自動車整備振興会のマスコットキャラクター「てんけんくん」も参加し、イベントに華を添えた。
冒頭、主催者を代表してあいさつした浜松市の鈴木副市長は「このイベントはバイクのふるさとを全国に発信していきたい、場合によってはこのイベントを世界に広げ、バイクの面白さ・楽しさを広げていこうということでスタートした。ライダー、これからバイクに乗ってみたい人、これまでバイクに親しんでいなかった人、ファミリーの皆さんもそれぞれの内容で学び、楽しんでほしい」と述べた。
続いて来賓を代表して、スズキの鈴木社長があいさつ。「最近は若者のバイク離れの話も聞く。残念ながらバイクを取り巻く環境が整っていないこともある。そういう意味では、バイクのふるさと浜松を、インフラを含めバイクを使いやすい、乗りやすい街にして発信していくことが重要だと思う。イベントテーマ『広げようバイクの輪』のとおり、一人でも多くの人にバイクに興味を持ってもらえるきっかけになることを期待する」と述べた。
紙面掲載日:2019年9月13日