二輪救援競技も熱戦
同大会は「接客要領、救援技術、安全対策および危機管理要領などについて競技することにより、ロードサービス隊員の力量向上を図り、顧客満足度を高める」ことを狙いに1978年に第1回が開催、2年ごとに開かれており、今回が16回目。例年と同じく初日の個人実技競技をJAF中央研修センター(多摩市)で、2日目の個人学科競技と団体競技を町田ドライヴィングスクール(町田市)で開催した。
出場選手は、全国8つの地方本部(北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州)に所属するロードサービス隊員約1800人の中から選抜された精鋭がそれぞれ4人一組となり、競技に臨む。
競技は大きく分けて学科、実技の2種類。
実技のうち、初日に行われた個人競技・実技は選手1人に2つの競技が設定。▼乗務1実技=「パンクの作業(四輪車)」と「会員様からの問い合わせに対する面談と朝礼時の全体周知」▼乗務2実技=「バッテリー上がりの作業(四輪車)」と「レッカー車での四輪つり上げ作業」▼乗務3=「一般道における車積載車での運搬作業(四輪車)」とOBDⅡスキャンツールなどを用いた故障探求(四輪車)▼乗務4=「故障探求作業(二輪車)」と「レッカー車での前二輪つり上げ作業、けん引走行、入庫」─を競う。乗務1は基地主任もしくは班長であることが条件とされ、乗務2、3、4については、これまでのような勤続年数や検定級位の区別を廃止、各地方本部による作戦の自由度を広げた。
個人競技・実技は選手1人に2つの競技が設定。このうち、二輪車の故障探求作業競技については、「お客様」がいる設定で、通常のロードサービスとほぼ同様のシチュエーションで行われる。故障個所を見つけ、二輪車を走行可能な状態にしなければならない。お客様から車両の使い方や状態を正確に問診することが、故障探求の近道となる。
また、車両の救援技術だけでなく、お客様の身の安全確保や、お客様から質問された際の受け答えなどの対応を行いながらいち早くお客様の要望を見極め、それに応じたサービスを提供できるかも、大きなポイントとなる。
2日目に行われた団体競技は「特別支援隊員を部隊指揮官とする被災地における支援活動」。災害現場を想定し車両を排除するというもので、チーム4人全員が「レッカー車2台」の部隊行動により出動から作業完了までを行う。
競技は選手たちに各地方本部の代表としての責任、全国大会という独特な雰囲気、審判の視線、制限時間などの多くのプレッシャーがのしかかる中、それを跳ね返すようにレベルの高い熱戦が繰り広げられた。
2日間にわたる競技の結果、関東本部が総合優勝を果たした。
◆大会成績(敬称略)
▼総合優勝①関東本部②九州本部③東北本部▼団体競技①九州本部②関東本部▼個人競技・乗務1①本橋信夫(関東本部/埼玉)②長沼鉄兵(東北本部/山形)③角田正儀(九州本部/佐賀)▼同・乗務2①東谷洋佑(関東本部/埼玉)②黒澤諒(東北本部/宮城)③多賀祥太郎(中国本部/岡山)▼同・乗務3①山田直生(関東本部/群馬)②舘内好佑(東北本部/宮城)③長嶋将司(中部本部/三重)▼同・乗務4①菊池貴文(東北本部/秋田)②大越伸浩(関東本部/神奈川)③茂見広大(関西本部/京都)
紙面掲載日:2019年11月22日