ヤマハ発動機は電動アシスト自転車「PAS(パス)」のアシスト機能を進化させた新アシスト制御「スマートパワーアシスト」を開発、2020年モデルより順次搭載する。
10月29日に埼玉スタジアムで開催された報道関係者向けの新アシスト制御体感試乗会には、SPV事業部村田和弘部長らが出席した。

冒頭、村田氏があいさつに立ち、電動自転車の市場状況を説明。「国内総需要は2018年が約67万台で、19年は消費税増税の駆け込み需要があり昨年比で8~10%増になるものと予想している。来年は反動減があるかもしれないが、PAS購入者の多くは買い替えではなく、新規購入であり、電動アシスト自転車に乗ったことのない人がまだ多いことからも、市場の成長は続くとみている」「海外では、ヨーロッパでの18年の電動アシスト自転車の総販売台数は277万台で、この10年間で10倍に伸長した」と国内外で好調を維持していることを説明。

またE-Kitのサプライヤーが増加傾向にあり、メガサプライヤーが参入してきて競争が激化、販売価格も低価格化しつつある現状を説明した。

続けて同マーケティング部商品企画担当の森田愛里氏が、93年に初代パスが製品化されて以降、客層の広がりとともに拡大したラインアップと、スマートパワーアシストを搭載した20年モデルについて商品説明を行った。

画像: 2020年モデルから順次新アシスト制御を搭載

2020年モデルから順次新アシスト制御を搭載

20年モデルでは、標準的なパワーから最大パワーまで自動でアシストを調整するモード「スマートパワーモード」、ペダル高回転時のアシスト性能を向上させる「新アシスト機能」を新たに搭載。電源オフ時の走行モードをリセットせずに記憶する新機能「走行モードメモリー機能」を採用するなど、移動をもっと快適にすることの実現に注力したことを説明。

その後、同開発部渡邉岳プロジェクトリーダーが新アシスト制御技術について「人間感覚を最優先するというパスの開発理念は変わっていない。今回多数のユーザーから情報収集を行ない、その声から改良の方向性を決めた。バッテリーなどのハードウエアは従来のまま、ペダル回転数に対するアシスト領域を拡大することでアシスト性能を、また新規モード設定で使い勝手を向上させた」と開発概要を説明した。

当日はヤマハ発動機販売のPAS営業部田部圭史郎部長が、拡がりをみせている国内ユーザーについて言及。「依然として初めて電動自転車を購入する人が多く、女性比率は約7割だが、年々1%程度男性比率が上がってきている」とし、実際にパス購入者のデータ調査によると、四輪・二輪車からの乗り換えは3%とごくわずかと説明。

今後に向けては「試乗可能なPAS・YPJショップは現在約1500店だが、20年には2000まで拡大するとともに、安心安全への取り組みについても、ヤマハ安全普及推進本部、PASイベントチームによる試乗会・講習会での乗り方アドバイスを強化するなど注力したい」と、世界で初めて電動アシスト自転車を生み出したメーカーとしての意気込みを示していた。

紙面掲載日:2019年12月13日

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