2016年夏にBMWモトラッド責任者に就いたリー・ニコルス・ディレクターは、これまで四輪車と二輪車での仕事の経験は長い。日本着任より約半年、現時点での見解では数年後に、日本での年間販売5~6000台は超えられると強調。特にマーケティング活動の改善で拡大できるとしている。同時にディーラーの収益を上げていくと言及。従って17年では、まだ具体的な活動を示していないが、ディーラー段階での売るための施策、マーケティング活動に注力していく考えだ。

ニコルス・ディレクターは英国ウィンザー生まれの46歳。ビジネスと金融を2つの大学で学び卒業し、米国系金融会社に入社し英国に着任。1995年に英国のBMW直営ディーラーに入社を経て、BMW本社より誘いを受け入社。12年間にわたり英国の自動車ビジネスに携わり、8年間の二輪車部門のうち4年間は二輪車部門のマーケティング/PRマネージャーを務めた。自身も二輪車ユーザーである。

就任した昨年夏よりディーラー10店ほどを訪問し、17年夏までに国内全ディーラーを訪問予定。これまでのディーラー訪問で今後の課題について触れ、現段階では言えないとしながらも、ディーラー訪問の見解からは、日本の人口は英国よりも倍ほどの人口数だが、都心集中や高値の土地といった違いもあるものの、BMWモトラッドの販売シェアで言えば日本が8%で英国は17%であり、日本は販売台数でもっとポテンシャルがあると指摘している。

特にディーラーでのスタッフ不足、販売プロセスやマーケティングでの実行、各種システムも古く、同社が提供する施策やシステムが有効活用されていない点を挙げている。

17年の取り組みでは、具体的な施策についての言及は避けているものの、先にも挙げたディーラーの商圏における売るための施策、マーケティング活動に注力する考えだ。マーケティング、各種システム面などの同社が提供する販売のための仕組みを活用することで拡大の余地があるとしている。主にユーザーからの問い合わせから来店、試乗、購入までといったプロセスで改善の余地を挙げている。これらの各分野の強化で5年後までには目まぐるしく変化、改善させ年間販売5~6000台超えに自信を見せている。

ディーラーの中には、現状維持派、迷い派、改善したい積極派の3タイプを挙げており、いずれもBMWビジネスのメリットの理解、強い体制、収益を高めていきたいと強調。

一方、製品では各種新製品を投入する中で、中型車の電動(EV)モデルを3月に発売予定。電気技術士の資格や整備機器などへの投資もあることから、取り扱いは一部のディーラーにとどまる模様。EV車の発売はBMW全体の高い技術やプレミアム製品、安全・信頼などと言ったコミットメントを市場で示すものとしており、市場を見ながら販売する意向。

他方、業界挙げての日本市場での販売100万台構想について、同社の取り組みとしてはJAIA(日本自動車輸入組合)を通じて、同社で可能な限り各団体やメーカーと協力して行くという。

画像: BMWモトラッドジャパン L・ニコルス ディレクター/「店舗での施策」注力 販売プロセス改善、収益拡大

紙面掲載日:2017年1月1日

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