ホンダはアドベンチャースタイルの新モデル「ADV150」のプレス関係者向け試乗会を2月6日、千葉県木更津市で開催した。149cc単気筒エンジン搭載のアドベンチャースタイルを持つ軽二輪スクーターとして2019年の東京モーターショーで日本初公開された同モデル、2月14日より発売されているが、すでに販売店からの受注状況では、試乗会開催時点で、国内年間販売計画を上回る台数となっていたようだ。

ホンダは市街地での利便性と郊外の不整地などでの走破性を併せ持ち、これまでにないデザインや技術を採用した“シティアドベンチャー”モデル「X-ADV」を17年に発表。新カテゴリーモデルとして支持を集めた。

今回、そのコンセプトを150㏄軽二輪モデルとして具現化することで、より幅広い層へ、スクーターの利便性とアドベンチャーの力強い外観を持ち、日常使いから趣味の時間までカバーし、余裕あるライフスタイルと他にない個性を提案する軽二輪スクーター・ADV150として誕生させた。ホンダとしては個性を表現しつつ、やりたいことを実現し、新しい経験をするアイテムとしており、グローバルに販売展開も行われる。

車体外観は機能部品が各所に配置され、ストロークのあるサスペンション、力強いヘッドライト周りの造形や、凝縮感あるデザインでアドベンチャーモデルの印象を追求。跳ね上がったマフラーやテーパーバーハンドル、ブロックパターンのタイヤなども採用されている。車体はPCX150で採用のダブルクレードルフレームやエンジンなどを基本とするが、足回りなどは専用設計となっている。
フロントサスペンションはクラス最長(ホンダ調べ、150㏄スクータークラス)の130㎜のストローク量を持ち、リアは120mmのストローク量を確保。最低地上高は165mmとなっている。前後ブレーキにはウェーブディスクを採用。フロントのみが作動するABSも装備する。

エンジンはPCX150に採用のeSPエンジンをベースに吸排気系の最適化を図り、低中回転域のトルクを向上。駆動系のセッティング変更とあわせ、扱いやすさや力強い加速感を実現している。アイドリングストップシステムも採用されている。

灯火類はフルLEDで、フロントのスクリーンは工具を使わずに71mmの高さ変更が可能な可変式を採用。シート下のラゲッジボックスは27㍑容量を持ち、ハンドル下左のインナーボックスはACCソケットも装備されている。多機能スピードメーターはインジケーター類が別体で配置され、視認性を高めるとともにアドベンチャーモデルらしい機能性の高さを演出。キー操作なしでエンジン始動となるホンダスマートキーシステム、急ブレーキをいち早く後続車に伝えるエマージェンシーストップシグナルと先進の機能も採用されている。

画像: 新型軽二輪シティアドベンチャー ホンダ「ADV150」

車体色はマットメテオライトブラウンメタリック、マットガンパウダーブラックメタリック、ゲイエティーレッドの3色が設定された。

ADV150車両価格は45万1000円。150㏄スクーターではPCX150があるが、ABSを装備するPCX150<ABS>は40万2600円。5万円弱の価格差となるが、リアディスクブレーキ、可変型のスクリーン、エマージェンシーストップシグナルを備え、なにより同等の車格、装備ながら全く印象の異なる個性的なデザインを採用するADV150。125㏄モデルや、先代のモデルも含めると人気モデルだけに非常に多くの台数が市場に出ているPCXに比べると“個性”という面では価格差以上のものをもっているといえる。ホンダとしても試乗会時点では、まだ発売前ということで実際の客層は不明だが、新しいもの、個性的なものを求める層に引き合いがあるという感触を得ているようで、車体の扱いやすさや、免許の面からもビギナーや若い層などに訴えるのではとしていた。

国内年間販売計画は3000台だが、発売前の2月10日時点で約4000台と、計画を超える受注をホンダ二輪正規取扱店から受けているという。  (写真=柴田直行)

二輪車新聞記者 猪首俊幸

This article is a sponsored article by
''.