警視庁の交通機動隊に「E-WING」という名称の新型車両が配備された。ベースとなる車両はBMWモトラッド製の電動スクーター「C Evolution」(シー・エヴォリューション)で、2020年3月1日開催の東京マラソン2020にて初披露。警察車両として採用された輸入二輪車ブランドでは初となるモデルだ。

警視庁へE-WINGが配備されたきっかけについて触れておきたい。2018年に東京都は「温暖化ガスの削減に向け、都内の新車販売に占める排出ガスゼロ車の割合を2030年までに5割に引き上げる」という施策を発表。その発表を受けBMWモトラッドジャパンでは都の施策決定の最高責任者へ、同社の電動車両を施策実現に適したモデルとして提案する書簡を送ったという。

その後、東京都は警視庁へ環境に特化した車両を検討するよう依頼。同庁でも緊急車両の装備を取り付け可能な車両をリサーチしたところ、海外各国の警察機関でもシー・エヴォリューションをベースとした車両を納入した実績もあることで、今回の導入に至ったという。なお、BMWモトラッドジャパン関係者の話によれば、1年近い技術検証を経たうえで、現場へ配備されたという。

他に類を見ないスペック

そのE-WINGだが車両はシー・エヴォリューションそのもので、外装まわりにパトランプや拡声器、それにスチール製のバンパーなどが加わるくらい。しかし、BMWモトラッドが公表する車両スペックでは停止から50㎞/hまでの加速はわずか2.8秒、トルクは発進時から最大値の72Nmを発揮。航続距離も最大で160㎞と、同社が次世代の電動プレミアム・マキシスクーターと位置付けるだけあり、他に類を見ない動力性能となっている。

ボディカラーも白でパトランプや各種装備が備え付けられていることで白バイとも思えるのだが、現時点では交通取り締まり活動で運用する予定はないため厳密には白バイではないと警視庁は話す。今後は安全教育などの広報啓発や、マラソンイベントの先導車などで運用していくほか、電動二輪車の運用に関する調査や研究をしていくという。

運動性能などを調査

具体的にはスラローム走行時の小径ホイールの特性や急加速・急減速時におけるガソリン車と比較した挙動の違い、それに通常走行時でのバッテリー消費量の違いや航続距離の違いなどを調査していく方針だという。

これから環境規制が厳しくなるなか、公用車である警察車両も排出ガスゼロ車両の導入は待ったなしの状況。そうしたなかで電動二輪車がどのようなかたちで警察活動に活かせるのか、将来に向けたデータを調査し収集する役割も担っているのである。

画像: ガソリンエンジンとは異なり油脂類の点検がないなど、点検項目は少ないが運航前の点検は確実に行っていると、警視庁は話す

ガソリンエンジンとは異なり油脂類の点検がないなど、点検項目は少ないが運航前の点検は確実に行っていると、警視庁は話す

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