旧車系の異常な高価格に驚かされつつ、新車販売も手堅い推移を見せている二輪車業界のコロナ禍だが、一般ユーザーはカスタムへの関心もかなり高いようだ。

その代表は何と言ってもマフラー。軽量・スタイリッシュでグッドサウンドとなれば誰でも欲しくなるのだが、爆音車両がまだ多い。これは二輪車業界のイメージを一瞬で大きく悪くするだけ。

アクセルをガバガバではなく、丁寧に開けるスマートな音の出し方を各ショップが率先して発信し続けるしかないだろう。朝晩の市街地では特に静かに走る真のカッコ良さが、1日も早く定着することを祈るばかりだ。

マフラーに劣らぬカスタムの代表例はバックステップ。バンク角アップよりもノーマルステップでは足が出しにくいから足着き性改善が狙いという理由が意外に多い。ただし、ステップが可倒式ではなく固定式なので、転倒時に相応の怪我リスクがあること、膝の曲がり角が強くなるためロングランが辛くなる場合もあるなどを事前に伝え、お客様合意のもとでセットアップするべきだろう。

ハンドルバー変更も同じ。フルステア時に燃料タンクとグリップの間隔が狭すぎてUターンがやりにくいとか転倒時のリスクが大きい事例もある。

ブレーキ関連はパッド、ローター、ブレーキホースなど重要関連部品なので、特に慎重になりたい。

足着き性改善のカスタムも実に多い。シート内部を削ったり、シート張り替えの他、サスペンション設定やリンク交換など多岐に渡る。ただし単純なアンコ抜きは、本質的な解決にならないことが多いのは確か。

高い信用を得るカスタム

どうせカスタムをするなら一気に!というお客様もいるようだが、私ならじっくり順番を決めて進めたい。一方で、カスタムが先か、乗り手のスキルアップが先かという問題もあるが、基本は常に同時進行。運転スキルアップというライダーのカスタム化は時間がかかるが、スキルがあればその価値が実感できる。

お客様のバイクライフがより楽しくなるには、モノだけでなく考え方や乗り方改善という意味で個々のお客さまにジャストフィットするカスタムがマスト。

カスタムパーツは純正より耐久性やフィット性に劣る場合もあり、メリットとデメリットを含めた要点をプリントアウトし、意思疎通を取るかサインをいただくぐらいの周到さが、高い信用度を得るカスタム手法だと思うのだが、いかがだろうか。

プロフィール

柏秀樹(かしわ・ひでき) 
1954年山口県生まれ。大学院生時に作家の片岡義男と、バイクサウンドをテーマにしたLPを製作。卒業後フリーランスのモータージャーナリストに。各種海外ラリー参戦も含めた経験を活かし、現在「KRS・柏秀樹ライディングスクール」を運営。全国各地で初心者やリターンライダー、二輪車販売店社長・社員の意識・運転技術改善に役立つノウハウ伝授や情報交換をしている。ベストセラーになったライディングDVD他著書多数。

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