NPO法人日本自動車殿堂(会長=藤本隆宏・東京大学名誉教授)は、「2021日本自動車殿堂・殿堂者(殿堂入り)」4氏、「2021日本自動車殿堂・歴史遺産車」3車、「2021〜2022日本自動車殿堂イヤー賞」4賞を決め、2021年11月8日に発表(既報)。その表彰式典が翌週15日、東京都千代田区の学士会館で開催された。「2021日本自動車殿堂・歴史遺産車」のうち、二輪車では「カワサキZ1/Z2」に決定、カワサキモータースの伊藤浩社長が出席して喜びを語った。
画像: カワサキZ1/Z2の「歴史遺産車」受賞にあたりあいさつするカワサキモータースの伊藤社長

カワサキZ1/Z2の「歴史遺産車」受賞にあたりあいさつするカワサキモータースの伊藤社長

日本自動車殿堂表彰式典を開催

表彰では▼日本自動車殿堂・カーオブザイヤー=「日産 ノート オーラ」および開発グループ▽同・インポートカーオブザイヤー=「メルセデス・ベンツEQA」およびインポーター▽同・テクノロジーオブザイヤー=「ホンダセンシング エリート:ホンダレジェンド」および開発グループ▽同・デザインオブザイヤー=ホンダヴェゼルおよびデザイングループ▼日本自動車殿堂「歴史遺産車」=「カワサキZ1(カワサキ900スーパー4)」/「カワサキZ2(カワサキ750−RS)」▽「日産Be−1」(87年)▽「トヨタセルシオ/レクサスLS400」(89年)▼日本自動車殿堂「殿堂入り」=豊田英二氏(トヨタ自動車工業元社長、トヨタ自動車元会長、トヨタ自動車最高顧問/1913~2013年)▽森美樹氏(弁護士/1931~2019年)▽長山泰久氏(大阪大学名誉教授/1932年~)▽井巻久一氏(マツダ元代表取締役会長兼社長兼CEO/1942年~)──への表彰が行われた。

「歴史遺産車」として受賞したカワサキZ1/Z2は、大排気量のスーパースポーツバイクとして開発されたカワサキZ1として、海外市場で高く評価。日本仕様のZ2と合わせて空前の販売台数を記録、カワサキのブランド構築の源流となる歴史的名車として知られている。

「カワサキ二輪車のルーツは川崎航空機工業」

カワサキZ1/Z2の受賞にあたり、代表して出席したカワサキモータースの伊藤社長は──

「Z1は1972年に製造を開始したが、22年には50周年の節目の年を迎える。このようなすばらしい賞をいただけたことを、この上なく誇りに思う。カワサキの二輪車のルーツは、三式戦闘機の飛燕などで有名な川崎航空機工業である。戦後、航空機の経験を生かしてモーターサイクルエンジンの製造を始めて以来、航空機の持つ究極の信頼性、極限の操縦性、そして運動性能への限りない追求がフィロソフィーとして脈々として受け継がれている。

殿堂入りの報を受け、Z1の開発計画書を改めて確認したところ、そこには手書きで『性能世界一』と書かれていた。19年に自動車殿堂入りされた大槻幸雄氏(川崎重工業元常務取締役)の思いがこもった一節である。また、同じく14年に自動車殿堂入りされた濱脇洋二氏(元カワサキモーターズコーポレーションUSA社長)のリーダーシップにより、日本の開発部門と二人三脚で米国市場に最適なデザインや仕様に仕上げることができたことも、大ヒットになった大きな要因だった。

偉大な諸先輩の世界一を目指す精神があってこそ、50年間色あせることなくモーターサイクルファンを魅了し続けたZ1/Z2が評価されたのだと思う」

──などと述べた。

また、殿堂者のうち、長山泰久氏は、家族が代理出席。同氏の「私の研究が単に学問の領域で終わるのではなく、交通安全という社会問題に貢献できたことをうれしく思っている」旨の受賞あいさつ文を読み上げた。

画像: 殿堂者」に選ばれた父・長山泰久氏(写真上)からの受賞あいさつ文を読み上げる泰秀氏

殿堂者」に選ばれた父・長山泰久氏(写真上)からの受賞あいさつ文を読み上げる泰秀氏

長山氏は、わが国で初めて交通心理学を体系化し、独自の研究領域として確立するとともに、運転者教育をはじめとした交通教育と教育訓練の普及を先導。国際交通安全学会の設立メンバーの一人として設立時のプロジェクト「暴走族の研究」の委員長として貢献。また、「二輪車の事故分析とそれに基づいた運転者教育の提言」で同学会の論文賞を受賞している。

画像: 開会のあいさつを行う藤本会長

開会のあいさつを行う藤本会長

画像: 表彰式典会場の様子

表彰式典会場の様子

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