田代氏が同社に入社したのは03年。CR-1事業が立ち上がったのはその翌年のことだ。
「100%本物のガラスコーティングにこだわってきて、全国の加盟店様が239店舗にまで増えてきた(22年3月現在)。年間施工台数は6000台ほど」
店舗間の口コミや、エンドユーザーからの指定もあり、一歩一歩成長できたと振り返る田代氏。さらなる飛躍を期して開設したこの新本部に、つい先日は草創期からの加盟店店主が講習を受けに来てくれたと喜ぶ。
「やはりこの施設は研修センターとしての機能が第一。お一人でも講習は承っているので、どんどん活用して欲しい」
新規加盟店にはもちろん、既存加盟店にも技術のブラッシュアップを勧めている。また、あって欲しくないことではあるが、リコール対応など突発的な要因で既存加盟店が手一杯になった場合など、ここに車両を持ち込んでもらい施工を請け負うことも想定している。
「実は九州や北関東の加盟店様から『こっちにも工場を造ってくれ』といったご要望も……」
それが実現するまで事業を成長させたい、と田代氏は笑う。施設は1階が工場兼撮影スタジオとなっており、2階にセミナールームが用意されている。
「新規加盟店様に、この1階で最高グレードの機材と施工環境をご覧いただくことも重要。塗装ブースは不要、温度・湿度の調整および換気ができればOKという手軽さはある一方、CR-1の初期導入費用は50万円以上かかる。その理由は、2階のセミナールームでしっかり理解していただけるはず」
3.2GPa・9Hという高い硬度のガラス被膜を車体に密着させることで、汚れや埃が付着しにくくなり、傷にも強くなるというCR-1。1300度以上の熱にも耐えるため、エンジンやマフラーもコーティングできるのが肝だ。その効果は10年以上持つといい、施工車両には保険会社に提出できる「施工証明書」が与えられる。この施工証明書は名義変更(有料)もできるもので、それだけ二輪車の価値を維持できるコーティングだという、同社の自信を示している。
「二輪車は外装だけでなく、エンジンやエキパイも格好いいもの。その全体を美しく保てる設計にしたことから、二輪車専用ガラスコーティングと銘打っている。そしてその価値を我々や加盟店様だけでなく、エンドユーザー様にも受け入れていただいているからこそ、ここまで成長することができた。だが19年のモーターサイクルショーでアンケート調査を行った結果、エンドユーザー様の認知についてはまだまだと判っている。つまり伸びしろが大いにあるということ」
エンドユーザーのリピート率、そして加盟店の利益率も高いため、ぜひ多くのショップに問い合わせて欲しいと田代氏。
3年ぶりに開催された第49回 東京モーターサイクルショーでは、このCR-1 STUDIO TOKYOをモチーフに、車両への施工デモンストレーションと、来場者自ら防汚実験ができる体験型ブースを用意した。
▼株式会社山城 TEL03-5691-2939
https://www.cr-1.jp/