埼玉県越谷市のM.S.C.Hara(原サイクル)は1947年に創業した老舗の二輪車販売店だ。以前は国産や輸入も含め、多数のブランドを取り扱うマルチチャンネル店だったが、現在は趣味性の高いブランドに絞り19年に専売店としてハスクバーナ・モーターサイクルズ越谷を立ち上げた。同社の3代目でもある代表の原豪志さんは同ブランドの魅力を伝えていく一方で、職場環境にも力を入れてきたという。
画像: 中央が代表の原さん。左は工場長の宇佐美一樹さん、右はセールスマネージャーの渡邉真吾さん

中央が代表の原さん。左は工場長の宇佐美一樹さん、右はセールスマネージャーの渡邉真吾さん

2011年よりハスクバーナ・モーターサイクルズを取り扱っている原さん。元々、オフロードモデルが好きで同ジャンルのモデルを数多く乗り継いできたが、それらと比べると同ブランドは信頼性が高いと言う。

「17、19年にモンゴルで開催したラリーにハスクバーナ・モーターサイクルズのエンデューロモデルで出場しました。そのイベントは身体一つと簡単な整備工具だけを持って8日間で4000㌔程走るのですが、ノントラブルで帰ってこれるんですよ。一般的なオフロードモデルだと短期間で4000㌔といった長距離を走るためには数多く手を加えなければいけないし、お金も時間も掛かるのですが、ハスクバーナ・モーターサイクルズだと大きな燃料タンクを付けて、長時間走行できるスプロケットやタイヤに交換するだけでほぼ完結してしまうんです」

「基本的には競技車ですね。ストックの状態でそのままレースで戦えるスペックです。でも、林道ツーリングに行っても十分使えるし何より乗っていて楽しい。他ブランドのオフロードモデルも不満があるわけではないのですが、サスペンションやブレーキ、エンジン出力はハスクバーナ・モーターサイクルズの場合、最初から一番良いパフォーマンスが得られます」と、絶大な信頼を寄せる。

同ブランドはエンデューロやオフ系モデルのイメージが強いが、一番の売れ筋はやスヴァルトピレンやヴィットピレンで、20歳~30歳前半の若い人を中心に販売が好調という。「乗車するときも、アウトドアメーカーのアパレルを着て颯爽と乗りこなしていますね」と目を細める。

20年のモンゴルラリーへ参戦するために原さんが製作したFR450Rally。コロナ禍でまだ未開催なので、早く実力を試してみたいそう

また、同社は以前からオフロードモデルを使ったツーリングやトレーニングを積極的に行ってきたこともあり、そうしたジャンルに強い販売店としても名が通っているが、今年に入って独自のアドベンチャー向けスクールを展開中だ。

トレーニングコースを所有・運営している施設と協力し、著名なモーターサイクルジャーナリストを招いて初心者やベテランも含めた参加者を集めている。内容も、初めてアドベンチャーやオフロードモデルに乗る人に向けたコースや、ベテランライダーに向けたコースなどレベルに合わせた内容になっており、実践的な内容となっている。

参加者も多く好評で、今後はイベント回数を増やしていくという。
「ツーリングやイベントなど遊ぶ機会や一緒に過ごす仲間たちとふれ合う機会を提供することでお客さんとも長く付き合えますし、お客さんも同じ趣味を持つ仲間と出会うことができますからね」と語る。

独自のスクールも開催。年後半も開催していく

ミラー根本が逆向きに動くことでワンタッチで車体内側に収納できるパーツを用意。林道ツーリングなどで重宝するとして、アドベンチャー車両オーナーに人気が高いという

業績も順調でコロナ禍でも過去最高の売上げを達成したが、二輪車は趣味性の高い商材であり、長く愛される商品として提供していきたい想いがあると、原さんはいう。

「普段の足として原付や、週末のレジャーとしての道具など様々な使われ方がありますが、オートバイを趣味として楽しむ方々が乗り続ける事で人生を豊かにできるのであれば、それを手助けするお店にしたい」。

そこで職場環境も変えていった。今で言う働き方改革だ。

「巷でよく『3年後、5年後どうしたいですか』という問いかけがあるけど、僕は1年でも長くオートバイに関わる仕事を続けたいし、この業界に関わっていきたいと思っています。それを継続していくために僕が会社に入った当時、セールスとサービス(整備)を兼任し接客していましたが、それを止めてセールスは車両販売に専念、サービスは車両整備に集中できるように環境を整えました」

セールスとサービスを分業。生産性が上がり定時に退社

「そうすると、以前よりも生産性も上がってみんな定時に帰ることができるんです。ここ5年くらいはほぼ残業がありません。あと、日曜・祝日は家族と夕食を共にしてもらいたいという思いで終業時間を早めています。分業を徹底したことで、社員の余暇が充実するんです。仕事が終わった後に社員同士でミニツーリングや釣りに出かけたりしていますね」

「社員もSNS(交流サイト)を積極的に使っており、出かけた時の様子をアップしています。ただ、一時期は肝心のバイクの話がなくて、釣りの話題だけになっている時があり、さすがにそれは注意しました」と笑う。

「お客さんにはバイクを買っていただき、それで遊んでハッピーな気持ちになってもらいたいと思っています。だけど当社で働く人たちにもハッピーになってもらいたい。給料を増やすという方法もあるけど、それには限度があるので、それ以外に提供できるとしたら、それは時間=余暇なんです。仕事以外を大事にしてもらいたい。充実した人生を送って欲しい」と続ける。

M.S.C.Haraではハスクバーナ・モーターサイクルズ以外に欧州の二輪車ブランドも扱っているが、いずれのブランドもそれぞれの良さがあり、それぞれに合った遊び方を提案し、楽しめる場所をこれからも提供していきたいと言う。

◆ハスクバーナ・モーターサイクルズ越谷 所在地=埼玉県越谷市越ヶ谷本町11-24
▽営業時間=10時~19時、日・祝日/10時~17時30分
▽定休日=水曜日、第2・3木曜日
▽☎048・962・3411
http://msc-hara.com/husqvarna/

This article is a sponsored article by
''.