都内宅配ライダーが「安全運転」競う
第19回デリバリー業安全運転競技会／警視庁・SDA

2023-01-16

編集部 @ nirin

TOPICS 警視庁交通部デリバリー業安全運転協議会警視庁交通安全教育センターセルート銀のさらナポリの窯

警視庁交通部と、デリバリー関係企業の宅配バイク乗務員に向けて交通安全教育を行っている全日本デリバリー業安全運転協議会（SDA／淺野秀則理事長）の共催による、東京都内に在住または勤務する宅配バイク乗務員の安全運転競技会「第19回デリバリー業安全運転競技会」が、東京都交通安全協会の後援を得て2022年11月2日、東京都世田谷区の警視庁交通安全教育センターで開催。参加した乗務員たちは日頃の講習会や研修会、業務で培った安全運転技術を披露した。

警視庁とSDAの共催による同競技会は、デリバリー業界の交通安全意識および安全運転技術の向上を目的としたもの。04年から毎年開催されてきており、今回で19回目。東京都交通安全協会が後援している。開催にあたっては、依然としてコロナ禍にあることから、前年に引き続き感染予防対策が徹底された。

競技会に先立ち開会式が行われ、主催者を代表して、警視庁交通部からは交通総務課の田中真実課長が、SDAからは村川淳一理事がそれぞれあいさつし、選手を激励した。

警視庁の田中交通総務課長は「二輪車の交通事故では、スピードの出し過ぎでコーナーをうまく曲がれず壁に激突してしまう単独事故や、右直事故、出会い頭事故が多いので注意してほしい」と交通事故情勢を踏まえた上で「今日の競技等で学んだ運転テクニックなどについて、会社に持ち帰って社員の皆さんとシェアしてほしい」と述べた。

SDAの村川理事は「今日参加している多くがお店で指導的立場にある方だと思う。今日の競技会を機に、安全運転の重要性に対する思いを再認識し、デリバリー業界全体の安全管理体制の維持向上のために貢献してほしい」と述べた。

出場選手は、東京都内に在住または都内店舗に勤務する人で、SDAに加入している会員デリバリー企業から推薦を受けた優秀なデリバリーバイク乗務員。今回参加したチーム（カッコ内は会社名）は▼銀のさらA（ライドオンエクスプレスホールディングス）3名▼同B（同）4名▼上海エクスプレス（デルソーレ）3名▼セルート（セルート）3名▼ナポリの窯A（ストロベリーコーンズ）3名▼同B（同）3名▼ピザーラ（フォーシーズ）5名▼ピッツァサルヴァトーレクオモ（ワイズテーブルコーポレーション）5名──の合計29名。

競技は▼交通法規学科テスト▼応用走行競技▼法規走行競技──の3項目を減点方式で審査する。交通法規学科テストは、15問の筆記試験。応用走行競技は、大小多数のパイロンが置かれたクランクや直線のコースを走るというもので、車両感覚を把握し、車両特性に応じた走行や安全で的確に操作する能力を審査する。法規走行競技はその名のとおり、法令を遵守し、安全かつ円滑に走行する能力を審査する。

競技説明・コース下見の後、選手たちは日頃の業務や講習会、研修会で培った自身の安全運転技能を確かめるように競技に臨んだ。

画像: SDAの村川理事（写真左）の合図で競技がスタート — SDAの村川理事（写真左）の合図で競技がスタート

競技終了後には交通安全教育が行われ、この後には表彰式を開催。団体部門の成績はチームの平均点で競われ、優勝チームには警視庁交通部長表彰状と副賞が贈られ、警視庁交通部交通総務課の川嶋泰雄管理官から手渡された。

個人部門は、各選手の総合得点上位1～6位にSDA理事長表彰状とメダル、副賞が贈られ、SDAの宮下雅光副理事長から一人ひとりに手渡された。

表彰後に講評を行った警視庁の川嶋管理官は「法規走行については、皆さんしっかりとできていた」「応用走行は低速での千鳥走行、パイロンスラローム、狭路での減点が多かった」などと踏まえた上で「全体を通してレベルが高く、選手間の差はほとんどなかった。こういったことをデリバリー業界において安全意識の高さ、また、技術に関しても指導が行き届いていると実感できたので、引き続き路上に出ても安全運転を続けてほしい。社内でも指導的立場にある皆さんから後輩の皆さんにもご指導いただければ、業界全体が事故無くレベルアップできると思う」と称えた。