全日本交通安全協会(全安協/川村会長)と警察庁は、1月17、18日の2日間、全国各地の交通安全活動者や優良運転者らを東京都内に招いて「第63回交通安全国民運動中央大会」を、内閣府と文部科学省、国土交通省の後援を得て開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から2021、22年と開催が見送られており、3年ぶりとなる今回は感染予防対策徹底の上で行われた。初日の「分科集会」では、専門家らによる講演や交通安全活動者による事例発表が、岸田文雄内閣総理大臣ら政府関係者が出席した2日目の「本会議」では、秋篠宮文仁皇嗣殿下・同紀子皇嗣妃殿下ご臨席のもと、交通栄誉章受章者や交通安全年間スローガン最優秀者の表彰、大会宣言が行われた。
画像: 2日目の本会議には1100人が参加(新宿区内で)

2日目の本会議には1100人が参加(新宿区内で)

本会議、秋篠宮皇嗣同妃両殿下ご臨席

同大会は、全安協の発足を機に、1961年1月に第1回大会を開催。全国各地から交通安全活動を推進する企業や学校、団体、個人とその家族らが一堂に集い、交通安全への意識を高めるとともに、今後さらなる取り組み強化への意思統一を図ることなどを目的に行われている恒例行事。初日の「分科集会」と、2日目の「本会議」の2部構成となっている。

今回は、分科集会に160人、本会議に1100人が参加。2日目の本会議は新宿区内で開かれ、冒頭に主催者を代表してあいさつした全安協の川村会長は出席者に、今後も豊富な知識と経験を存分に活かし、家庭、地域、学校、職場での交通安全活動の推進者として、一層尽力してほしいと求めた。

あいさつする全安協の川村会長

秋篠宮皇嗣殿下からは
「昨年の交通事故による死亡者は2610人で、1948年の統計開始以来最も少ない人数を6年連続で更新しております。このことは全日本交通安全協会をはじめ交通安全に関わっている多くの方々の長年にわたる、たゆみない努力の賜物と申せましょう」
「しかしながら、いまだに年間2000人以上もの尊い命が失われ、30万件以上もの交通事故が発生してそのことによって多くの人々が辛い思いをしています。その中には高齢者が関係する交通事故も発生しており、また、飲酒運転や、妨害運転いわゆるあおり運転など、悪質で危険な運転も問題となっております」
「私たちが普段利用する道路上には日々多くの人やクルマが往来しており、路上の交通事故は誰にでも起こり得ることです。一人ひとりが交通事故を起こさないよう自覚を持ち、交通道徳を高め、それを実践することが肝要であると考えます。そして運転者や歩行者がそれぞれ、相手の立場に配慮し、思いやりのある行動をとることが求められております」
「その意味から本大会が、関係者が一堂に会して交通安全に関わる諸問題を話し合う大切な機会であり、大変意義深いことと考えます」
「本日の受賞者をはじめ、全国の津々浦々で日々交通事故防止に取り組んでおられる皆様のご尽力に深く敬意を表するとともに、交通事故のない安全で安心して暮らせる社会の実現に向け、交通安全運動がさらに進むことを祈念致します」などのおことばがあった。

ご臨席された秋篠宮文仁皇嗣殿下

同紀子皇嗣妃殿下

続いて来賓として出席した岸田総理大臣、細田博之衆議院議長、長浜博行参議院副議長、谷公一国家公安委員会委員長がそれぞれあいさつ。岸田総理大臣は「政府としては、世界一安全な道路交通を実現するため、官民一体となった取り組みを強化するとともに、先端技術の積極的な活用や普及、道路交通環境の整備、交通安全意識の向上等の諸対策を推進していく」などと述べた。

来賓を代表してあいさつする岸田総理大臣

細田衆議院議長

長浜参議院副議長

谷国家公安委員長

交通栄誉章表彰など行う

恒例の表彰では、最初に交通栄誉章(警察庁長官・全安協会長連名表彰)受章者への表彰を開催。全安協では、交通安全功労者・優良安全運転管理者、優良運転者に対し、功績に応じて交通栄誉章「緑十字金章」「緑十字銀章」「緑十字銅章」を贈っており、金章と銀章は交通安全国民運動中央大会本会議で表彰している。

栄誉章の最高位となる緑十字金章は、昭和38年(1963年)の第3回交通安全国民総ぐるみ運動中央大会で交通安全功労者3人、優良運転者8人に贈られたのが始まり。以降表彰は60年余り続き現在に至っている。

今回は▽緑十字金章=交通安全功労者・優良安全運転管理者121人、優良運転者32人▽緑十字賞銀章=交通安全功労者・優良安全運転管理者400人、優良運転者195人──で、登壇した代表者に、警察庁の露木康浩長官から表彰状が手渡された。金章・銀章受章者の配偶者には全安協の川村会長から感謝状が贈られた。

交通安全優良団体等に対する全安協会長表彰では▽交通安全優良団体36団体▽交通安全優良事業所87事業所▽交通安全優良学校45学校▽優良交通安全協会58協会▽優良安全運転管理者協議会45協議会──の各受賞代表者に、全安協の川村会長から表彰状が手渡された。

次に、交通安全協力企業に全安協会長からの感謝状が贈られた。これは、全国の新小学1年生に黄色いワッペンを配り、子供たちの交通事故防止に役立てているもの。昨年までに59回を数え、贈呈間数の累計はおよそ7000万枚にのぼる。今回感謝状が贈られた企業は▽みずほフィナンシャルグループ▽損害保険ジャパン▽明治安田生命保険▽第一生命保険──の4社。

令和5年使用交通安全年間スローガンおよび令和4年度交通安全ファミリー作文の最優秀入選者に対する内閣総理大臣賞では
▼交通安全年間スローガン最優秀入選者「運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの」=「運転は ゆとりとマナーの 二刀流」(板垣宏さん/群馬県前橋市)
▼同「歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの」=「自転車に 乗るなら必ず ヘルメット」(野澤蓮香さん/兵庫県神戸市)
▼同「こども部門」=「ぺだるこぐ ぼくのあいぼう へるめっと」(田子惺琉さん/群馬県立前橋市立勝山小学校1年)に、
交通安全ファミリー作文最優秀賞では
▼小学生の部=「やさしいおうだん歩道の作り方」(大近伊煕さん/愛媛大学教育学部付属小学校2年)
▼中学生の部=「交通安全啓発ポスター」(渡邊陽和さん/岡山市立岡山中央中学校2年)
に岸田総理大臣から賞状が手渡された。

最後に、この2日間を通じた今後の活動推進の方針としてまとめられた大会宣言文が、全安協の竹島和之副会長から読み上げられた。

画像: 交通栄誉章の授与。警察庁の露木長官(右端)から表彰状から手渡される受章者

交通栄誉章の授与。警察庁の露木長官(右端)から表彰状から手渡される受章者

画像: 交通安全優良団体等に対する全安協会長表彰。全安協の川村会長(右)から表彰状が手渡された

交通安全優良団体等に対する全安協会長表彰。全安協の川村会長(右)から表彰状が手渡された

画像: 内閣総理大臣賞の贈呈。岸田総理大臣(右端)からの表彰状を手渡される受賞者

内閣総理大臣賞の贈呈。岸田総理大臣(右端)からの表彰状を手渡される受賞者

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