リゾマの開発責任者のフィオレンツォ・ファナリ氏はリゾマ社CEOの叔父にあたり、中野氏のカワサキワークスチーム現役時代のチーフメカニックを務め、友人関係が続いていた。また日本で56designを立ち上げる以前にも、たびたびリゾマ社を訪れる機会があり、その時感じた同社の志の高さに感激し、同時にCEOのファブリチオ・リゴリオ氏のアーティスト的なモノ創りにも魅かれ、「その後の自社でのオリジナル商品プロデュースに大きな影響を受けた」(中野氏)という。
「完璧なデザインには、加えるものも削るものもない…」というリゾマ社のスローガンに共感し、日本での販売を展開していく56design。「ウェアから日本の二輪車業界を元気にしたい、イメージを良くし明るくしていきたいという思いで展開しているが、リゾマの製品は自分のその思いに寄り添ってくれるハードパーツ。今後はファッションとハードパーツの両面で二輪車のイメージアップをしていきたい」と意気込みを見せる。
なお、今後はリゾマの全機種、約1500点におよぶパーツすべてが日本で購入可能とのこと。現時点で6店のプロショップ、3店のオフィシャルディーラーがあり、同社ウェブショップでも購入可能。
▽リゾマオフィシャルショップ=千葉市中央区椿森3-3-4 56design2Fラウンジ ☎043-445-8856、営業11~19時、定休火・水曜
素晴らしい造形美
日本GP開催直前の10月11日、56design本社で同社の中野代表に、今後の展開などを聞いた。
──自身がリゾマファンとのことだが、どこが魅力か。
「モトGPを走っていた現役時代から、何度かリゾマ社や工場には行っていて、そのシンプルでありながら存在感のあるデザインに惹かれた。また、オフィスやショールーム、商品パッケージからカタログに至るまで、社長でありチーフデザイナーであるファブリチオさんのこだわりが感じられるのも、その魅力だ」
──イタリア本社で感じたリゾマの魅力を日本のユーザーにどう伝える。
「アルミニウムの削り出しの美しさは勿論、他のメーカーとは違うバイクらしくないデザインというか…美術館にでも置けるような造形美は、是非実物を見てもらいたい。パーツを装着したデモ車も各種用意したいし、製品のデザイン性を感じてもらえるようにホームページもさらに充実させていきたい」
──日本市場でのハードパーツマーケットをどうとらえる。
「56designを立ち上げた時もそうだったが、〝自分達のやりたい事をやろう〟がモットーで、マーケットリサーチなどにはとらわれずに始めた。今回も同様だ。56design、リゾマともに、ライバルメーカーに対抗するのではなく、二輪車業界に対して新しい提案をしていく事が私の使命であり、期待して頂いていることだと思っている」
──56designの新領域として、リゾマに期待していることは。
「56designは、私が観たヨーロッパのライダーのライフスタイルに刺激を受け〝Life with Motorcycle〟をコンセプトに、カジュアルファッションとバイクウェアの開発を中心に活動してきた。リゾマのハードパーツも、ライダーへのライフスタイル提案の一環だ。カスタムパーツというよりは、法規の中でボルトオンで気軽にドレスアップ出来るファッションアイテムのような方向性にしたいと考えている。走りそのものを優先するライダーから、ストリート、ツーリングを楽しんでいるライダーまで、ジャンルを問わず全ライダーに喜んでもらいたい」
紙面掲載日:2017年11月3日