2013年に二輪車業界活性化の一環で提唱した「2020年までに二輪車の国内販売100万台」達成に向け、経産省と地方自治体、二輪車業界の各団体は具体的な活動として毎年、「バイク・ラブ・フォーラム」を秋に開催。具体的活動のための「産業政策ロードマップ」も作成した。こうした中、本紙では輸入車販売トップのハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)のスチュアート・ファレル社長に、国内販売100万台達成についての考え、達成に向けた課題、HDJでの具体的な活動などについて聞いた。

──国内販売100万台達成に向け、原付一種の免許制度改定や駐車場、自動車税、高速道路料金などが問題に挙がっている。HDJではどのように考えているか。

「必ずしも政府が進めている活動と、我々企業との動きが合致しているとは限らない。そうは言っても100万台については注力している。先日、社内で話し合ったところだ。メーカーとして我々が政府に、対策を打つように働きかける社会的責任があると考えている。また働きかける必要がある。

二輪車は人々にとって利便性や楽しみがあるものだ。一方、社会的責任の中で、販売100万台を進めるために我々としては、駐車場や原付一種免許制度、税金などの問題や障害を取り除く必要があると考えている」

──メーカーの一部では現状から2020年に100万台の販売は厳しいと言う指摘もある。HDJではどのようにみているか。

「私個人的にみると、野心的な目標だと思う。その中で先の100万台達成に向けた二輪車環境の問題などは大きな課題だ。日本のメーカーにとっては堅実的な目標を掲げることになるだろうが、ただ政府が目標を達成するために、(二輪車の置かれている環境)全体として野心的に取り組まなければならないと思う」

──二輪車環境の問題と課題について、HDJとして具体的にできることは何か。

「我々ができることは大きくは三つある。一つ目は、JAIA(日本自動車輸入組合)を通じて、政府の政策に影響を及ぼすことができる政治的活動だ。特に私はJAIAのモーターサイクルコミッティーのチェアマンとしてJAIAがリーダーシップを発揮することが重要と考えている。

二つ目が、米本社と連携して日本にある米国大使館を通じて、日本の政府に(二輪車環境の問題で)その必要性を訴えていく。また三つ目は、今回の取材などを通じ、社会へメッセージを送っていくことだ。こうした活動で日本の政府には働きかけていく」

──米国大使館を通じた働きかけは二輪車業界全体として、HDJへの期待は大きいと思われる。

「最終的には政府として販売100万台を挙げているわけなので、彼らの威信に対しても今の二輪車環境の問題、障害を取り除くことが重要だ。それらの問題を理解してもらうために米国大使館へ働きかける。

また、電動車の免許制度も含めて、課題があれば訴えていく」

──米国大使館では、具体的に動いているのか。

「もちろんだ。我々のブランドは米国において大きい存在だ。ゆえに米国大使館とは定期的に各種の打ち合わせを行っている。そうした中で我々が必要としている事柄を伝え、話し合っている」

画像: ハーレーダビッドソン ジャパン スチュアート・ファレル 社長【上】/「米大使館通じ政府へ」働きかけ

紙面掲載日:2016年8月12日

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