同社の16年は3月に伊MV社の経営環境が悪化し、生産が止まった。15年は世界市場で過去最高の販売を上げた一方で、開発費やレース活動が裏目に出たともいえなくない。ただ、11月には新たな投資会社の支援で経営環境が改善。この間、日本では入荷などで影響はなかった。日本市場の同社は新型のツアラーモデルのツーリスモヴィローチェ800やストラダーレ800、ブルターレ・ドラッグスター800の発売に向け入荷台数を充実させていたことが挙げられる。さらに同3車種を中心に積極的にキャンペーンやイベントを展開。特にくつろいだ雰囲気の試乗会のMVアグスタカフェは、全国各地で15年よりも約3倍の10開催以上に増やした。こうした取り組みで市場の冷え込み、本国事情を考慮すると15年の販売台数レベルを維持させる形となった。他方、新ブランドとして伊SWMの輸入販売も試験的に開始。クラシック440ccモデルを春のショーで披露し、期待以上の反響を得たとしている。
MVの販売店網31店ではフラッグシップからプロショップへ2店が昇格、質の向上とサービス講習の実施などに取り組んだ。
MVでの17年では、16年に伊本国で発表したF4R CとF3・675RC、ドラッグスターRCなどを投入予定。発表後すでに日本でも60台を受注。特に排出ガス規制のユーロ4をクリアし機能性、マフラーなどの外観も欧州同様で販売され、市場の期待も大きい。
SWMへは本格的に活動を開始。新型でクラシックモデルの排気量400ccと、モタード/エンデューロの125cc機種を投入する。特に125ccでは同カテゴリーで品薄感が強く、水冷4ストロークエンジン搭載で販売は50万円以下と言及。製品の販促と同時にSWMでは、会社の歴史などを訴求し、安心感を定着させていく意向。
ユーザー向けイベントでは昨年以上に充実、強化を図る。MVとSWM合同でカフェやサーキット走行会の展開に加え、SWM単独イベントも予定。SWMでは約50店体制を見込んでおり、独自の販売網として取扱店の形で展開。春に全国3地域で取扱店募集のランチイベントの開催を計画している。
紙面掲載日:2017年1月1日