ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)のグレッグ・ウィリス社長は、5月20日に開催した同社最大イベント「ブルースカイヘブン」の会場で本紙の取材に応じた。夏期にかけて17年モデルの販売が終盤を迎えるにあたり、いかに臨むかなどの考えを聞いた。

──近年、販売台数で伸び悩みが見られる。考えられる要因は。

「まだ来日して時間が浅いので、日本市場はどのような市場かトレンドなのか把握しきれていない。免許取得関連などの制度を把握しながら、ハーレーダビッドソン(HD)はもとより、日本の二輪車市場を伸ばしていきたい」

──今年、商業モールで展示試乗会を展開。直接効果が得られにくいのでは。

「私たちはモーターサイクルが好きだし、他社メーカーの人たちもそうだろうが、二輪車市場全体を拡大する意味でモーターサイクルを知らない、体験したことがない人達へ、私たちが寄り添っていくという考えで展開している。
効果については質問の通りだ。しかし、二輪車業界のリーダーとして、三つ考えることがある。一つは、短期では売上を上げること。二つ目は、約3年後の中期で、将来のライダーを育てること。三つ目が5~10年単位の長期で、どのようにライダーを創造するか。そうした中で例えば、ディーラーが各地域で教習所との連携や免許取得を促すパスポートフリーダムの提供など、いかにスムーズにHDを手に入れてもらえるかなど多数のツールを用意している」

──興味があるユーザーを店舗へ誘引するための具体的な施策は。

「パスポートフリーダムもそうだが、イオンモールで展開するイベントでは地域のディーラーに協力してもらっている。関わりを持ったユーザーには、近隣のディーラーへ連絡してそのユーザーへのフォローアップを行うようにしている。イオンモールでは車両展示の他に試乗会も実施しており積極的に購入見込み客を創造している。試乗では予想以上のユーザーにHDを体験して頂いている」

──17年モデルの販売も残り4カ月。店頭在庫や中古車市場でもHDが多く見られる。

「店頭在庫は予想を超える量ではない。今から二輪車に乗る時期としてはピークであろう。今後の対策ではディーラーとの多数のツールがあり、ユーザーニーズに私どもがうまく合致させ、いかに提供していくかだ。私の任務はディーラーでHDが一番利益を上げ、いかに二輪車業界でディーラーと協力して取り組んでいくかにある」

──顧客の損失や公平性の観点から全顧客に同一情報の提供が必要。価格も情報の一部と考えるならば、値引きせずに販売できる施策が必要では。

「法的に私どもから値引きの禁止や定価販売を強要することはできない。ただ、ディーラーとのコミュニケーションで、ディーラー同士が値引き競争せずにすむようにはしたい。
一方で集中しなければならないことは、ディーラーと協力しながら新規顧客、将来の顧客をいかに拡大するかだ。米本社のCEOは、今後10年間に100モデルを投入すると発表した。かなりインパクトだ。こうした新製品でも需要を拡大ができると思う」

画像: ハーレーダビッドソンジャパン グレッグ・ウィリス 社長/今後10年で100機種投入 ディーラー利益「ハーレー一番」へ

紙面掲載日:2017年6月23日

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