英トライアンフのチーフ・プロダクト・オフィサーであるスティーブ・サージェント氏が、トライアンフジャパンが10月19日に行った発表試乗会に出席した。先頃、同社は19年よりFIMモトGP世界選手権モト2クラスへエンジンを供給すると発表。サージェント氏はモト2クラスへのエンジン供給での現在考える着地点などについて答えた。

モト2へのエンジン供給の目的の一つは、レース参戦で得た技術を市販車に活かすとしており、レースでは「市販車づくりでは得られない情報が得られる」とした。「最高峰のモトGPライダーはモト2経験者が多く、世界でも一番速いライダーが乗るクラスでもある」などとし、必ずトップライダーからの情報が得られるクラスと見込んでいる。二つ目は、モトGPは世界中のユーザーやライダーらが見ているが、こうしたユーザーとトライアンフはまだ接点がない点も多く、こうしたユーザーらへの認知向上も挙げている。

ただ、今後の新規ユーザー獲得ではスポーツ嗜好の強いユーザー獲得だけにはとどまらず、モーターサイクルが好きなユーザーを広く取り込みたい意向を示した。

エンジン供給のための同社が考えるゴール、将来的にモトGPへの参戦については「今のところ考えていない」と否定した。ただ「モト2でのエンジン供給により、いろいろな情報を得た上で、その先について新たな活動へ取り組むことにもなるかもしれない」などと、将来のモトGP参戦を頭から否定はしなかった。

675ccエンジン搭載の主力スポーツモデルであった「デイトナ」の後継モデル開発については、世界的にスーパースポーツ市場が縮小傾向にあり、ビジネスとして成り立たないとの考えを示しており、開発は行っていないという。

その一方で、モト2へのエンジン供給の発表後は、デイトナの新型導入に期待する問い合わせが、多数寄せられていることも明言。デイトナの新型開発では「もう少し意見を聞いて、ビジネスとして成り立つならば、再度検討の可能性もあるだろう」と言及した。

画像: 英トライアンフ スティーブ・サージェント チーフ・プロダクト・オフィサー/「モト2の先、新たな取り組みも」

紙面掲載日:2017年11月10日

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