同店は複合店としてユーザーの長いバイクライフを支える店舗だ。大河原さんは、同店のフロントマンとして買取・小売りを通じて、顧客と対面し、幅広い業務に携わっている。
大河原さんがバイク王&カンパニーに入社したのは2018年のこと。幼少期からの白バイへの憧れもあって学生の頃に自動二輪免許を取得、趣味としてバイクに親しんでいたことから、バイク業界への就職を目指したという。大河原さんは「好きなことを仕事にしたいと考え、自分が人生で一番楽しかったことは何だろうと振り返ってみたら、バイクに乗ることだったんです」と語った。
同社ではさまざまな部署で女性が活躍しているが、実店舗で働く女性はまだまだ少数派だ。しかし、ボランティアやアルバイトの経験などから直接顧客と対面する仕事に魅力を感じていた大河原さんは、店舗への配属を第一志望とした。
店舗に配属されて直面した最大の難関は車両を並べることだった。バイクに乗る女性にとって特に多い悩みともいえる車両の取り回しだが、店舗では日常的な業務となる。
今でこそコツをつかみ、大型バイクでも楽に出し入れしている大河原さんだが、当初は小さな車両を並べるにもひと苦労だったと振り返る。「そんなとき、職場の仲間が積極的に声をかけて手助けしてくれたのが嬉しかったです」と大河原さん。また、車両の取り回しに限らず、互いにフォローをし合える環境である様子。大河原さん自身も、壁を作らずにコミュニケーションをとることを心掛けたという。
そうした周りの協力もあり、入社1年目の新卒者を対象に営業成績や周囲の評価などが採点される「ヤング王」という賞の営業部門で最優秀賞に選ばれた大河原さん。「当時、月に20台ぐらい販売をしていたんですが、ご成約後のフォローがなかなかできないので一緒にやってもらい、皆さんに支えてもらって取れた賞です」と良好な環境であることを実感している。ヤング王の受賞によって、さらなるモチベーションアップにもつながったという。
接客では、来店客が声をかけやすいよう心がけることと、自分の体験を話すようにしているという大河原さん。自身がバイクに乗り始めたとき、周りにライダーがいなかったことから、装備品選びに苦労したことなども役立っている。
今後の目標は、現在免許を持っていない人の背中を押すこと。購入目的者の付き添いで訪れる女性への声かけはもちろん、多数の商業施設が並ぶという同店の立地を生かし、買い物がてら訪れるバイクに興味のない層にも、二輪車の楽しさを積極的に伝えている。
「初めての愛車が納車されてエンジンサウンドを奏でたときの感動は今も忘れられません。多くのお客様に私と同じように感動を味わっていただきたいですね」と二輪車の魅力を広く訴求していきたい考えだ。
◆バイク王 GLOBO蘇我店
▽所在地=千葉県千葉市中央区川崎町1-34▽TEL043・265・8190▽営業時間=平日10時〜19時/土日祝10時〜20時▽定休日=毎週木曜日
紙面掲載日:2020年3月6日