当日行われた政策要望懇談会には、AJ東京の役員からは野間理事長、渡辺均専務理事、増子哲一理事が、都議会公明党からは中嶋義雄都議、高倉良生都議、野上純子都議、齋藤泰宏都議、薄井浩一都議が出席した。
冒頭、あいさつに立った齋藤都議は、「コロナ禍にあって今、バイクが見直されており、駐車場問題は直近の課題である。今日はコロナ禍での話をうかがえると思う」旨を述べた。
AJ東京からはまず、野間理事長があいさつ。「今日は特に二輪車駐車場に関する要望で、今年特に違うのは、新型コロナの影響で失業してフードデリバリーサービス業に転職し、原付車を利用するケースが増え、これに伴い駐車違反の取り締まりを受ける状況が多くなっている」「世の中では原付二種の利用が増えているのに、都内はいまだに原付一種しか置けない駐輪場が多い」と、二輪車駐車環境の改善を強く求めた。
続いて渡辺専務理事が要望内容を説明。今回は①コロナ禍における二輪車駐車違反取り締まりと二輪車駐車場問題についての要望②首都高速道路の二輪車二人乗り全面解禁についての要望③軽自動車税(地方税)についての要望──の3点。
「コロナ禍における二輪駐車違反取り締まりと二輪車駐車場問題についての要望」については、現状として▼新型コロナの影響で三密(密集、密閉、密室)となる満員電車を避けるため通勤、通学に二輪車を利用する人が大幅に増加している▼その特性を活かすためにも二輪車利用のための環境改善のさらなる推進が求められている▼しかし、都内の二輪車駐車場不足によりその利用が大きな妨げとなっている▼令和2年の都内の二輪車駐車違反件数は年々減少しているが、これは違反を繰り返すことで、二輪車に乗るのをやめて電動アシスト自転車に切り替えている傾向にある▼原付一種は最高時速30km以下、二段階右折など制約が多いため、原付二種の需要が高くなっている▼都民の二輪車利用者にとって二輪車駐車場不足はその利用を妨げる大きな要因で、死活問題となっている──と説明。
これを踏まえ、要望として▼路上のコインパーキングを二輪車も利用できることを知らない二輪車利用者が多い。二輪車が利用できるのならその利用法(駐車方法等)を知らしめる手段を示してほしい。二輪車専用コインパークについては都内に3カ所しかないため、今後増加を望みたい▼平成30年4月に警察庁交通局交通規制課長名で出された通達「自動二輪車等に係る駐車環境の整備の推進」の周知等対応、そして二輪車駐車違反区域でも特に二輪車駐車場が整備されていない箇所については『二輪を除く』標識を掲げてほしい▼現状、駐輪場の二輪車受け入れ条件として総排気量50cc以下に限定しているところが多いが、現在は原付一種よりも原付二種に需要が高まっている。どちらも車体のサイズは特に大きく変わらず、各市区町村ではともに軽自動車税を払っており、総排気量125ccの原付二種までの受け入れをしてほしい──とした。
さらにこのコロナ禍で、二輪車駐車場が多くできれば、▽コロナ禍→三密回避→自転車・二輪車の活用→二輪車駐車場不足→二輪車駐車場の充実→二輪車利用の活性化→三密の回避──につながるとし、三密を避ける移動手段としての二輪車の特性を活かすためにも、引き続き二輪車利用のための環境整備のさらなる推進を求めた。
二輪車駐車場については、AJ東京の増子理事が「私の二輪車販売店では、フードデリバリーの二輪車の修理件数が前年よりも大幅に増えている。原付二種の利用者は年々増えているが、今年は原付一種の需要も増えている。コロナ禍で失業し、すぐにできるフードデリバリーサービス業に転職している人も多くみられ、そうした人が、普通四輪免許ですぐに乗れるのが原付一種である。コロナ禍でのこの業種の急速な拡大に伴い、路上の二輪車一時駐車需要も高まっている」と補足説明し、二輪車駐車場の早急な拡充の必要性を強調した。
「首都高速道路の二輪車二人乗り全面解禁についての要望」については、「平成17年から高速道路での自動二輪車の二人乗りが解禁となったが、首都高速道路では一部区間の通行止めが続いている」との現状を踏まえた上で、「首都高速は東名高速、中央道など主要高速道を連絡するものであり、二人乗りでは一般道を経由しなければならないケースが発生している。二輪車二人乗り解禁から11年が経過し、二人乗りによる大きな事故の報告もなく、他の高速道路とのシームレスな高速の実現のために首都高速の二人乗り全面解禁を願う」と要望した。
「軽自動車税(地方税)についての要望」については、小型二輪車(251cc以上)の軽自動車税が6000円なのに対し、四輪の軽自動車税が二輪車より低く自家用貨物5000円、営業用貨物3800円となっているが、四輪に比べ二輪車の保有面積は3分の1、車輪も2分の1で、その不公平感はぬぐえず、少なくとも四輪車よりも低額にしてほしい▽軽自動車税は地方税で各市町村の収入となっているため、これらの収入の一部を二輪車駐車場の建設(増設)に充当してほしい──旨が要望された。
締めくくりにあいさつに立った高倉都議は「私どもは引き続き二輪車駐車場問題を議会でも取り上げているので、今後さらに強力に働き掛けをしていきたい」と述べた。