2021年12月4~5日の2日間、東京都千代田区丸の内の東京国際フォーラムにおいて東京都が主催する、電動二輪車をテーマにしたイベント『EVバイクコレクション in TOKYO 2021』が開催された。同イベントは東京都が主催する催しで、電動二輪車の理解や普及促進を目的とした初のイベントとなった。

東京都は19年5月に、CO₂を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション東京」を宣言。世界の大都市の責務として平均気温の上昇を1.5℃に抑えることを掲げており、50年の実現に向けて動き出している。その取り組みの一環として、都内で新車販売される二輪車を35年までに100%非ガソリン化することを目指しているほか、走行時にCO₂などの排出ガスを出さない電動二輪車や同四輪車を公用車として積極的に採用している。なお、東京都では令和3年度を「非ガソリン化元年」と位置づけており、電動二輪車(三輪車含む)に対する車両購入費補助を昨年度より増額し、個人・事業所を対象とした車両購入補助を実施中だ。

今回のイベントではそうしたゼロエミッションに関する取り組みなどを展示・紹介したほか、電動二輪車の公用車や現在、新車で販売・リースされている国内外の二輪車メーカーの電動二輪車の展示や試乗なども行われた。

開催初日にはオープニングイベントとして、東京都の小池百合子知事とユーチューバー芸人のフワちゃんとのスペシャルトークショーも開催。ヤマハからはFIMのトライアル競技「TraialEクラス」の参戦車両「TY-E」を使った電動トライアルマシンによるショーも開催。このほか、会場では科学を楽しく学べるサイエンスショーに、ワークショップも同時に開催するなど多種多様なイベントとなっていた。

画像: オープニングイベントでは小池知事(写真中央)とフワちゃん(同右端)とのトークショーが開催

オープニングイベントでは小池知事(写真中央)とフワちゃん(同右端)とのトークショーが開催

オープニングイベントの『EVバイクコレクション in TOKYO 2021フワちゃんトークショー』では、小池氏との座談を設定。「気候変動と電動二輪車を考える」をテーマにトークセッションを行い、普段から原付一種に乗るというフワちゃんは電動二輪車のメリットを聞かれると「地球にやさしい乗り物」とコメント。小池氏も「いろんなメリットがある。音が静かで振動がなく乗り心地も良い。ランニングコストも安い。今は各社が技術を競い合ってEVバイクで華を咲かせようとしている。今後、さらに普及を進めることができれば価格も安くなるのでは」と、これからの普及に期待を寄せていた。

トークショー前に行われた、電動トライアル車両によるデモンストレーションでは、ヤマハファクトリーレーシングチームに所属する黒山健一選手がライダーとして登場。多才なテクニックを壇上で披露し、会場を大いに賑わせていた。

画像: ヤマハの電動トライアル車でデモを行う黒山選手

ヤマハの電動トライアル車でデモを行う黒山選手

東京国際フォーラム内の会場では、公用車として用いられている電動二輪車も展示されており、警視庁からはBMWのCエボリューションをベースにした白バイの「E-WING」を展示。東京消防庁からはホンダのPCXエレクトリックをベースにした車両を出展。

画像: 警視庁と東京消防庁の公用車で使われている電動二輪車

警視庁と東京消防庁の公用車で使われている電動二輪車

国内外の二輪車メーカーによる展示では、ホンダはすでにリース販売しているベンリィ イーとジャイロ イー、同キャノピー イーを展示。従来のパワーパックから進化したモバイルパワーパック イーも同時に出展していた。ヤマハではテレビ番組でお馴染みとなった、イービーノと電動アシスト自転車のYPJ-MRプロを展示。イービーノは試乗会も行われ、多くの参加者が訪れていた。カワサキモータースでは〝EV二輪研究車〟の電動二輪車と、電動三輪車のノスリスを展示。電動二輪車は現在、研究中の車両で車両に搭載されたバッテリーを充電するタイプとなっている。

海外メーカーからはBMWが出展。CエボリューションとコンセプトモデルのCE04が展示。KTMはハスクバーナ・モーターサイクルズとGASGASを含めた3メーカーのオフロードタイプの電動二輪車を出展していた。このほか、二輪車用品販売大手のプロトも出展。主催者発表によると2日間の開催で約3300人が来場し、多くの来場者が電動二輪車に関心を寄せていた。

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