モト3、モト2クラスでは日本人選手の活躍が目立った大会となり、モト3クラスで佐々木歩夢が日本で開催された同クラスのレースで初めて表彰台に立つと、続いて行われたモト2クラスでは、小椋藍が06年の青山博一氏のGP250クラス優勝以来、16年ぶりに日本人選手による日本グランプリでの優勝を達成。小椋はこれが今季3度目の優勝で、シリーズランキングでも首位に2ポイント差で残り4レースに臨むことになる。
なお、モトGPクラスでは前戦で負った負傷が癒えていない中上貴晶が20位で完走、ワイルドカード参戦した長島哲太、津田拓也はリタイアに終わった。
▽観客数(3日間合計)=5万7482人〈写真=南孝幸、本紙/文=中村浩史〉
母国GP 16年ぶり日本人優勝 モト2クラス小椋藍
コロナ禍の影響もあって、日本での開催は3年ぶりとなったMotoGP世界選手権。グランプリメンバーは9月18日にスペイン・アラゴンで第15戦を終え、ヨーロッパから日本という2週連続開催で、あわただしい移動での来日となった。
さらに今大会では、コロナ禍による物流の乱れのため、チーム機材や放送機材の到着が遅れることも見越して、通常は金曜日午前に行われるフリー走行を中止し、金曜日午後からの走行。しかし、ここでも幸い、大きな混乱は見られなかった。
今大会で注目されたのは、やはり日本人選手たちのホームグランプリでの走り。モト3クラスでは、ここまで佐々木歩夢が2勝でランキング4位に、表彰台に3回登壇している鈴木竜生がランキング7位につける中、公式予選では、その鈴木がポールポジション、佐々木が4番手を獲得。
決勝レースでもこの2人が先頭集団を走り、鈴木は序盤に転倒してしまったが、佐々木は最後まで優勝争いの後、3位表彰台を獲得した。
続くモト2クラスは、このクラス2年目の小椋藍が、前戦までランキング首位から7ポイント差の2位につけ、母国優勝に一番近いと期待されたが、公式予選では不安定な天候に翻弄され、5列目13番手に低迷。
しかし小椋は、決勝レースでオープニングラップのうちに8台抜きを見せて5番手まで上がると、2周目には4番手、5周目に3番手、そして7周目には2番手に浮上。そのまま首位を走るアロンソ・ロペスの背後につけると、13周目にトップに浮上。
そのまま2番手以下をじりじりと引き離し、今シーズン3勝目を獲得。ランク首位のアウグスト・フェルナンデスも2位となったため、ポイント差は5ポイントだけ縮まって引き続きランキング2位の座をキープ。
モトGPクラスでは、ドゥカティ・レノボ・チームのジャック・ミラーが序盤から逃げ切り今季初優勝。日本人唯一のレギュラー参戦、中上貴晶は予選最下位からの出走で、5人ものリタイアが出た決勝レースを完走。ワイルドカード参戦の長島哲太は9周目に転倒、津田拓也は11周目にマシントラブルでリタイアした。