▼MVアグスタ(イタリア)
22年は前年比90~95%で着地する見込み。上半期は生産が遅れ、前年売約分を順次納車していたという。
後半になると生産ペースが急激に上り、さらに販促キャンペーンを打った結果、22年11~12月の登録台数は大きく上昇してきた。23年については「新たに向こう1年間の生産計画は明確になっているので、いい結果が期待できる」とのことだ。
22年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)には出展こそしなかったMVアグスタだが、開催期間中にミラノの別会場にてニューモデル「スーパーヴェローチェ1000セリエオロ」を発表した。
「4本出しアップマフラーやその造形など、非常にいい造り込みを見せている。今後スタンダードモデルの発表にも期待ができる。日本導入は24年以降になるだろうが、まだ販売価格も決まっていないというのに既に何台か成約している」
また、限定車で人気のラッシュの新たなバージョンも発表された。
一方、かつてのカジバ時代の歴史と偉業を再現したアドベンチャーモデル「ラッキーエクスプラローラープロジェクト5.5/9.5」も発売予定。石井社長としては554ccの「5.5」を中心に100台ほど販売し、収益の柱に加えたい考えだ。そのためには同モデルを楽しめるイベント開催も必要としている。
販売ネットワークについては、国内の販売店舗は現在22店舗。今後は共通什器の導入等の店頭整備状況、販売実績、アフターサービスのスキルなどの項目で質の高い店舗を中心に販売網の再編を検討していく予定ということだ。
▼イタルジェット(同)
待望の日本上陸を果たしたドラッグスター125/200が、22年1月から11月までに約300台が入荷。「22年内にもう2便が届き、100台入荷予定で年間400台になる見通し」。石井社長の期待通り、MVアグスタジャパンの収益を支える柱に成長しつつある。23年はこれを500台にまで伸ばしたい考えだ。
「決して楽な計画ではないが、その規模でないことには事業の柱にはなり得ない」
販売拠点は全国23店舗。イタルジェットについてはエリア代理店制度を敷いており、今後はこの23店舗から地域のショップへと卸売を加速させる計画だ。
そしてEICMAでヴェールを脱いだ「イタルジェット 500GP」も注目されるところ。まったく新しい水冷4サイクル単気筒450ccエンジンを搭載するマニュアル車だ。24年からの生産を予定しているという。
なお、現行ドラッグスターに関してはアフターパーツも好調。純正オプションに設定されているマフラーや強化クラッチなどが売り上げを伸ばしているということだ。
▼SWM(同)
「スピーディ・ワーキング・モータース」を意味するSWM。22年はイタリア側が生産体制を見直す期間にあたっていた。現在は新しい生産体制が確立され、23年1月から125cc中心に輸入を再開する。
販売網は全国26店舗。オフロードおよびスーパーモタードに強いショップが多く、「SM125R」「RS125R」を着実に販売していく構え。また、OUTLAW125などの根強い人気のクラシックシリーズの輸入も継続していく意向だ。