2022年は5年ぶりに登録台数が1万台の大台にのる見込み。ハーレーダビッドソン ジャパン(HDJ)社長に就任して3年目を迎えた野田一夫氏は「去年1年間やってきたことが結果に結びついてきた」と、顔をほころばせる。

車両の入荷状況は21年より改善したが、まだ厳しいところはある。「本当に供給体制がしっかりしていれば、さらに販売台数を伸ばす余地はあると思うのだが」との本音も。

22年の施策について、こだわったのは「基本をもう一回」。生産計画の調整、マーケティング施策、デジタルツールの運用も基本に立ち返ることを徹底した。「大事なのは、誰に何を届けるか」と、野田社長。例えば日本市場のために企画した空冷最後のスポーツスター『フォーティーエイト ファイナルエディション』では、用意する台数はもちろん、仕様にまでこだわりを見せた。それらすべてが噛み合った結果、同機種は21年12月に発表するや限定1300台が即日完売。他にも投入した商品はすべて順調なセールスを見せている。

「HD初のアドベンチャーモデルである『パンアメリカ』についても、例えば『足つき』が悪いなど売れない理由に引っ張られてしまえばそれまで。悪路での走破性が高いこと、車高がもたらす見晴らしの良さなど、素晴らしい要素は備わっている。その素晴らしさを知って欲しい、乗って欲しいという情熱が大事」

そうした情熱をもった販売店の成功例を横展開することも重視した。「全店に対して意識づけするために販売店を表彰したり、ニュースレターで成功例を伝えたり、地味な活動を続けている」

背景には危機感もある。HDの強みといえば、アメリカンクルーザーだ。販売台数を見れば強さは明らかだが「仮にそのセグメントが沈めば、我々も沈んでしまう。脆弱なポートフォリオを改善しなければ」という使命があるのだ。

22年9月には「ブルースカイヘブン」も4年ぶりに富士スピードウェイで開催。台風接近が報じられる中、1万人近くの人を集めた。約900台からなるパレードランの先頭を務めた野田社長は、こみ上げるものがあったと振り返る。

画像: ブルースカイヘブンでのパレードラン。野田社長が先頭を走った

ブルースカイヘブンでのパレードラン。野田社長が先頭を走った

「オートバイが好きで、HDが好きで、HDを囲んでいろんなことをするのが好き。それがHD販売店だと実感した。そんな皆さんが『ありがとう』と開催を心から喜んでくださった」

HD120周年となる23年も、大いに盛り上げていきたいと考えている。

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