今年の春、25年ぶりに本格的なオフロードウエアの発売を開始したクシタニ(静岡県浜松市・櫛谷淳一社長)は、6月11日から新たにオフロードコースでの展開を開始した。
「御嶽エクスプローラーパーク」と銘打ったフィールドは、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の麓に位置し、約63万㎡の広大な敷地を有する。
難易度にも差をつけ、ダウンヒル、ダイレクトクライム、アドベンチャー、ロック、ウッズ、ピークアタックなど多種多様な14本のコースを展開。御嶽スキー場の管理会社である株式会社シンが経営し、クシタニはコース全体のプランニングを担当、設計施行まで行った。
「今はバイク用ウエアを作って売るだけでなく、遊び場を創り、ユーザーに体験や経験までを消費してもらう時代になりました。30年以上前、父(現・クシタニ会長)が社長時代、那須エクスプローラーサーキットを建設しましたが、今回はロードコースがダートコースになっただけです」
クシタニ広報部の櫛谷信夫氏は、クシタニの DNAとも言える“バイクに乗ることで得られる感動の提供”は、オンロードもオフロードも変わらないと話す。
「ただ、なぜ今オフロード領域なのかというと、クシタニの将来的な戦略の中で、オフロード領域での展開は不可欠なのです。本格的なオフロードギアを製造販売することとなった今回、リアルなオフロードコースをプロデュースし、走る以上の付加価値を提供することは必然でした」
眼下に雲海が拡がる「雲の上キャンプサイト」も設計
コース作りは楽しいことばかりだったと話す櫛谷氏だが、実際に御嶽エクスプローラーパークは、単に14本のオフロード専用コースがあるだけでない。
レンタル用の車両と装備類を扱う店舗として20~40フィートの大型コンテナ3本を敷地内に設置し、コンテナショップとして営業。移動式キッチンカーも用意し、夜には大人向けバルに変身させる。お子さん向けにキッズパークも用意。さらには施設内に4つのキャンプサイトまで作った。
「これまでもそうだったように、これからもライディングウエアを製造販売するだけでなく、それらを着ることによって得られる喜びを追及したいと思っています」
キャンプサイトの1つは、あえて山の頂上に作ったという。「朝起きると眼下に雲海が拡がって、目の前に御嶽山がそびえているんです。魂が震えますよ(櫛谷氏)」──新しい二輪文化の「場」が誕生した。
御嶽エクスプローラーパーク
▽住所=長野県木曽郡大滝村3162番▽TEL=0264・48・2240▽定休日=水・木曜日▽営業時間=9時~16時▽走行料金=3000円▽レンタルバイク=8000円▽レンタルウエア=5000円▽キッズパーク(中学生まで)走行料金=2000円▽キッズバイク(ヨツバモMEOW・WOOF)レンタル料金=2000円▽貸し切り料金=15万円(平日)、30万円(休日)▽キャンプサイト使用料=2500円(フリーキャンプサイト)~3000円(雲の上キャンプサイト)